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美オヤジを誘って囲われて救われる話

第11章 一大事編


「そうだね。みんな気さくでいい人たちなんだけど、今のは予想外だったよ。あと、さっきのことも気にしなくていいからね。 全くうちの会社の連中はどうしてこうやって、みんな君のことを引き入れようとするんだろうな」

彼が不本意な様子でぼやくと、あなたは小さく笑いをもらす。

「それはヴィクトルが人気者だからだよ。注目されてるのかも。こんなに素敵で格好いいし」

腕にきゅっと巻きつくと、彼の嬉しそうな笑みが返ってくる。

「あぁ、そんなこと言ってくれるのは君だけさ」
「ええっ。そうかなぁ、まぁ私だけでいいけど」

冗談めかして伝えると、彼も感激して笑っていた。

帰り道を歩き、手を繋ぎ直しても、なんだかまだドキドキする。
今は自分を奮い立たせる必要があった。

女性たちのキラキラしたオーラや存在感。 彼がいつも纏ってるような自信と、きっと仕事ができるんだろうなという眩しさに重なり、対する自分は少し怖気づいてしまう。

そして、あなたの心に暗い影を落としたのが、あの女性の嫌悪感のある目つきだ。

ヴィクトルも他の二人と話をしていて気づいてなかったようだが、ほんの短い時間でも、あなたにはひしひしと自分への敵対心を女性から感じた。

どうしてだろう?やっぱり自分が上司である部長の恋人としてあまりに場違い感があったからか。

それとも、もしかしてあの人は彼に対して特別な気持ちがあったりするのだろうか?

あなたより何歳か年上の、環境も立場もおそらく性格もまったく異なりそうな女性だ。

「どうしたの? 名無しちゃん。大丈夫?」
「うん、大丈夫!」
「本当に?」
「ほんと!」

思案していて心配され、あなたは笑顔で答えた。

――とにかく、自分がどう思われたとしても、自分にできることはないのだ。
もしクリスマスパーティーに行くことになったら、あの女性にはまた会いそうだけど。

ヴィクトルが知らないところで、あなたの心の中は冷えてきた風のようにざわめいていた。
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