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美オヤジを誘って囲われて救われる話

第11章 一大事編


「あれ。すごい偶然だな」

彼の呟きが頭上から聞こえて、パンを受け取ったあなたも視線を追う。

彼はまったく平然としていたが、向こうの三人組はこちらに気づいた様子だった。

そのうち一番年上の女性が大きく瞳を見開いた。彼女たちは皆おしゃれで、メイクはもちろん、コートや靴、バッグやアクセサリーの隅々まで気を使っていた。

「えっ? ヴィクトル! こんなところで会うなんてびっくりしましたよ!」

パンツスーツの彼女は彼よりも少し年下ぐらいだろうか。

「本当だね。君たちもこの店に来ていたとは」

彼は愛想のいい笑みを浮かべた。雰囲気も柔らかいが、なんとなくあなたは仕事モードの真面目な様子を感じ取る。

彼女たちはきっと会社の人たちなのだろう。なんとなくまとっているスマートな空気感もヴィクトルに近い。

後ろから二人の女性も来る。一人は最初の女性よりもう少し若く30代ぐらいだ。
そしてもう一人の女性は20代後半に見えた。

その若い女性はあなたをじっと見て、かなり驚いたような、 警戒するような眼差しをした。

「あーっ、ヴィクトルじゃないですか? うそ、もしかして彼女ですか? どうもはじめまして。私たちは部長と一緒に働いている者なんです。 直属の部下ではないですけど」

真ん中の女性はかなり明るく、砕けた調子で握手を求めてきた。あなたも緊張しながら笑顔で応じ、自己紹介をする。

「部長にはお世話になっています〜ふふ、プライベートな姿見ちゃうなんてレアですね。そんな私服なんだ!」

ロングヘアの女性はかなり気さくでヴィクトルも苦笑していた。一番年上の女性もあなたの存在に驚きながらも好奇心たっぷりに目くばせしている。

自分の存在的に気まずくなりそうだと思ったのだが、皆普通に接してくれている。

しかし、最後の若い女性だけは笑顔を浮かべていたものの、どこか態度が硬かった。

あれ……あんまりよく思われてないかもしれない――。

とっさにあなたはそう感じた。しかし誰もその事に気づいておらず、ヴィクトルは店の端で三人と少し会話をした。
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