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美オヤジを誘って囲われて救われる話

第11章 一大事編


「ありがとう。君がいてくれて本当によかった。看病してくれて、そばに君の存在があって、すごく嬉しかったよ。⋯⋯昨日は、夢に君も出てきたんだ」
「⋯⋯え!?」
「そんなに驚くことかな? ふふ」

彼が見惚れるような笑みをしたので、あなたは黙って体が熱くなっていく。

そういえば、彼の寝言について思い出した。
いや、忘れるはずがない。
でもあれはなんだったのか、聞けるはずもない。

きっと覚えてないだろうし、ただの寝言なのに本気にしたら恥ずかしいからだ。

「ははっ、きっとずっとそばにいたからだね。ははは⋯⋯嬉しいなぁ。⋯⋯あ、そうだ! 今日はヴィクトル、仕事どうするの? 出来れば、まだ完全には回復してないし、ゆっくりしたほうがいいんじゃないかって思ったんだけど⋯⋯」

彼の様子を伺いながら言ってみる。
なんとなく、彼のような多忙なビジネスマンは、この程度なら無理して仕事してしまうイメージがあったのだ。

彼は実際に目を丸くしていたが、少し考えたあと、素直に頷いた。

「そうだよね⋯⋯正直、こういうことは年に一回ぐらいはあって、無理やり寝て見て見ぬふりすることも多かったんだけど、今日は出来そうだったら家で仕事するよ。あとで各所に電話しよう」
「ほんとう? それなら安心だよ」

あなたは冷静な彼の判断にほっとする。
仕事はやっぱりするんだ、と思ったのは事実とはいえ、取締役というのは状況に関わらず経営に問題が起きればいつでも出社する立場だ。

それでも体調を崩した時ぐらいは、自分の体を第一に考えてほしいと願った。

「よしっ。じゃあ少しは安心だな。今日は外出しちゃだめだよ」
「うん」

彼がにこにこしているのを良いことに、あなたはシャワーもまだ浴びちゃだめだよ、なんてことも口出してしまった。

彼は立派な大人なのに、つい構いたくなってしまう。

「ごめん、私口うるさいよね」
「いいや嬉しいんだ。とってもね」
「ふふふ。帰ったらまた体に良さそうなもの作るね」
「えっ?」

あなたは立ち上がり、彼に温かいはちみつジンジャードリンクを用意しながら話をする。

戻ってくると、彼はそわそわしていた。
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