第10章 彼の同僚
あなたは一気に達したあと、息を乱し、彼の下で小刻みに腰を震わせていた。
彼のものもあなたの膣の動きに呼応するように、ビクっ、ビクっ、と脈打ち、イッたのだと悟る。
「はぁ、はぁ、名無しちゃん⋯⋯」
二人の胸がぴたりと合わさり、鼓動がとても速い。汗で離れないほど密着している。
あなたは呆然としながらも、彼の背中を持ちうる力で掴んだ。
「いかせたかったのにぃ⋯⋯また気持ちよくなっちゃった⋯」
顔をあげて、濡れた瞳を合わせる。
ヴィクトルは興奮を鎮めようと努めていたが、満たされた表情だ。
「すごく気持ちよかったよ。俺もね。ありがとう」
「⋯⋯本当? 嬉しい⋯⋯でも私がお礼言いたいよ」
小声で明かすと彼は小さく笑って、あなたの頬を指先でいじってくる。
「君が上に乗って揺れてるの見てるだけで、もう堪えられなかったよ」
「やだ⋯⋯恥ずかしい」
「あんなにたくさんしてくれたのに? ⋯⋯今度またしてくれる?」
またその色っぽくずるい笑みだ。
でもまた、と言われてあなたも輝くような笑顔で頷いた。
彼をもっと幸せにしたい。小さなことからだけど、自分にも出来るかもしれない。
そんな希望にほころんだ顔をヴィクトルが肩ごと覆ってきて、腕の中にしまう。
「あぁ。幸せだな⋯⋯君が大好きだ、名無しちゃん。何度言っても足りないぐらいに」
「ふふ。足りてるよ。十分感じるもん」
「そうかな?」
「うんっ」
「⋯⋯もっと表してもいい?」
彼がやけに真剣にじっと目を見て尋ねてくるから、あなたはまだその意図に気づいていなかったけれど、とろんとした瞳でこう返事をした。
「うん、いいよ。もっとして」
甘い声を出して彼の懐に潜り込む。
ヴィクトルはあなたの可愛らしさにうっとりする。
彼の思惑は当然深いところにあったが、より強い手応えを得るまでに、もうあまり時間はかからなかったのだ。