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美オヤジを誘って囲われて救われる話

第10章 彼の同僚


大げさに振り返ってくるマックスに、まずクリスが爆笑していた。あなたもどう反応していいか分からず、ヴィクトルへの驚きと照れくささ、嬉しさみたいなものが混ざり合い、変な顔になってしまった。

「あはは⋯⋯確かにないかも。そんなこと気にしてくれてたの、ヴィクトル」
「うん。いやこいつにはね。ちゃんと言っておかないと、ストレスがたまるからな」
「はははは! これはいいですねぇ! 彼のこんな嫉妬に荒れ狂う姿見たことありませんよ! はあ、はあ、まずいですお腹が痛くなってきた――」

クリスは笑いすぎて腹を抱えており、マックスとヴィクトルはまだ口論してるし、カオスである。
あなたは一気に緊張が解けて、同じように笑いがこみあげてきた。

「ふふっ。やっぱりヴィクトルの存在感ってすごいなぁ。皆が面白いことになっちゃってる!」
「いやいや名無しちゃん。俺は本気なんだけどね。君はこいつの破壊力をまだ知らないから――」

冷静に突っ込まれるけれど、男友達といる彼ってこんな感じなんだと、この短い時間で垣間見えた気がした。
それはあなたにとっても貴重で、胸が温かくなる瞬間だ。

「とにかくな、名無しさん。――ほらお前がいる時だけそう呼んでやるよ満足か。――俺はね、今の姿こそこいつの素の姿だと思うぞ。だから君はもっとこの男の格好悪いところを見るべきだ」

突然真面目風の表情でマックスに言われ、隣のクリスも一理あるというふうに頷く。

ヴィクトルは一気に怪訝な顔を見せた。

「待て、なんの話だ。俺はいつも素だぞ、彼女の前でも」
「そうかぁ? どうせ格好つけてんだろうが」
「⋯⋯それは普通に男として格好良く見られたいものだろ」

マックスの一見突拍子もない助言が、あなたには密かに通じていた。さっきクリスマス会のことで、自分の自信のなさをもらしてしまったからだろう。

だからきっと、気負わなくていいと暗に言ってくれたのだと、彼の友人の優しさに感謝の気持ちがわいてくる。
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