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美オヤジを誘って囲われて救われる話

第10章 彼の同僚


「待ち合わせですか。もしかして、うちの会社の人間かな。ソルヴェンテ・コンサルティングって言うんですが」
「⋯⋯あ! そうなんですか。えっと⋯⋯」

あなたは口ごもった。彼はヴィクトルと同じ会社の人だったのだ。そんな偶然にも驚いたが、彼の年代的に自分の存在が見つかったら面倒なことになるかもしれないと考えた。

しかし。

「あれ? もしかしてそうなんですね? ははは、俺の推測が正しければ、ヴィクトル・ヘイズかな?」

彼は歯を見せて笑い、気さくに話してくる。
あなたは心臓が飛び出そうになったが、ヴィクトルを明らかに知っている人物のようだった。

「え、あの、すみません!」
「いやなんで謝るの? 平気平気、心配いらないよ。俺怪しい奴じゃないから。ヴィクトルの友達なんだ」

スッとフレンドリーに入ってきた男性はにこにこしながら、あなたと程よい距離感で立ち、ジェスチャーを混じえて明るく説明した。

「⋯⋯彼のお友達なんですか? どうして私がその⋯⋯」
「それはねー、あいつに聞いたからさ。ものすごく可愛い恋人ができたって。いやその通りなんだと俺も今信じましたよ」

冗談ぽく明かされてあなたは真っ赤になる。完全なお世辞だとは分かっているけど、この人は自分のペースに相手を引き込んでしまう不思議な素質をもっていた。

「あ、はは。まさか彼が私のこと話してたとは。でも友人の方にご挨拶できて嬉しいです。すみません、こんなとこまで来てしまって」
「全然問題ないって。よかったらオフィスに案内しようか? あ、俺は同じ役員のマックス・チェンバーっていうんだ。よろしくね」
「こちらこそ、よろしくお願いします。#名無し#といいます。あとオフィスなんて滅相もないので、お気遣いなく!」

ぶんぶんと首を振って断ると彼に楽しそうに笑われた。
外では一部の隙もなさそうなヴィクトルのイメージから、勝手に周りの人達も同じ雰囲気を想像していたけれど、この人は全然違うタイプに見える。

話を聞けば大学の同じボート部だったらしいので、同い年の40歳なのだが。ヴィクトルと同じくかなり若々しい。
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