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美オヤジを誘って囲われて救われる話

第8章 会社にて


三人はしばらく会議室にいたが、皆忙しい身だ。中々社長が現れないことにしびれを切らしたときのこと。

コンコンと扉が鳴らされ、また別の若い男が現れた。横分けの品のある金髪に小綺麗なスーツ姿のクリスである。

「お三方。すみませんねえ。社長は時間内に来れないようです。役員会は午後に変更になりますので、業務にお戻りください」
「あぁ? なんでだよクリス。お前の兄貴に何かあったのか?」

マックスが立ち上がり不服そうに言うと、クリスは申し訳なさそうに微笑んだ。彼は実は、社長であるフロリアンの実の弟なのだ。

「ええ、実は双子が両方熱を出してしまったようで。夫婦で病院にお世話になっているようですよ」
「あぁ、そうだったのか。それは大変だ。じゃあ午後にしよう」

ヴィクトルは同情的な視線で他の二人にも促す。皆会議室からバラけていくが、マックスはこうこぼした。

「はぁ、社長となっても自ら家のことをやんなきゃいけねえんだな。結婚ってやつは大変だ」
「当たり前だろう、お前はどんな時代に生きてるんだよ。子供や家族が大切であることに立場は関係ないだろ?」

たしなめるヴィクトルに彼はふん、と肩をすくめる。

「お前はよくそう言うけどな。独身だからってこれまで通り仕事を一身に背負ってると、その可愛い彼女と結婚できなくなるぞ? くくっ」

背丈の変わらぬ嫌味な男の台詞に、苦虫を噛み潰したくなる。
こんな短い時間で自分の思惑が悪友にも見透かされてしまったようだった。

ヴィクトルは廊下を渡り仕事に戻ろうとする。
しかし後ろから、また自分の部下がついてきた。

彼はプロジェクトマネージャーの立場で、若いながらもリーダーとしての力を多方面に発揮する男だ。
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