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美オヤジを誘って囲われて救われる話

第8章 会社にて


「彼女だぁ!? おいほんとかよお前、どんな子? なぁどんな子だ?」
「うるさいな。お前には絶対に教えるか」
「なんでだよ! おいエリオ、お前誰からそんな話聞いたんだ」
「社長だよ。詳しくは言ってなかったけどな」

彼は立ち上がり、向こうにあるカフェメーカーで呑気にコーヒーを入れている。
戻ってきて着席する間も、ヴィクトルは気が気ではなかった。

社長とはヴィクトルと最も親しい間柄の、いわば親友である。高校の時から同じクラスで、彼もまた大柄で暑苦しいマッチョだが中身はいい奴だった。

「あのな、君達。ここがどこだか分かってるか? 俺達の立場もだ。社員二百人以上を束ねる、責任ある取締役の我々が仕事中に恋愛話にうつつを抜かせるなど――」
「急にどうしたお前。そんなに言いたくないのかよ。ふっ、俺の情報力で探ってやるから覚悟しとけよ」

不穏に笑うマックスは多忙を極める仕事の時と同じく火がついた様子で、ヴィクトルは恨みがましくエリオを見やるしかなかった。

「そんな目で見ないでくれ、ヴィクトル。俺はただ関心がわいただけだ。君は俺と同じ、一生独身タイプだと思ってたからな」
「⋯⋯まあな。俺もそう思ってたよ。だから互いに親近感があったんだろうな、エリオ」

微笑んで許しそうになったが、ため息に変わる。自分だってまだ独身のままの可能性もあるのだ。うまくいかなければ。

でもヴィクトルは、あなたとの関係を絶対に諦めたくはなかったし、そのつもりもなかった。
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