白と黒のハーモニー 第二局 【ヒカルの碁・緒方精次】
第4章 ● ハッピー緒方ブームとおうちデート ○
映画を見終わってひと息つくと、腹の虫が鳴る。
「夕飯どうする?何か一緒に作るか?」
「うん! 一緒に作るの楽しそう!」
白川の「一緒に料理」の提案は悪くないな…と、緒方は内心でニヤリとする。だが、冷蔵庫にはビールと調味料、卵くらいしかない。
「…スーパー、行くか」
「精次さん、ハッピー緒方ってバレるよ?大丈夫?」
…確かに、また「ハッピー緒方!」って騒がれたら面倒だな…と、緒方も考え込む。
「じゃあ、変装するか」
サングラスをかけた緒方がマスクを着けると、星歌がクスクスと笑いだす。
「精次さん、完全に不審者!」
不審者…だと?と、緒方はムッとしつつ、サングラスを外す。
「逆に、メガネ外すだけでいいんじゃないか?」
「え…ちゃんと見えるの…?」
星歌が心配そうに顔を覗き込む。その様子を見て、緒方はイタズラをしたくなる。わざと目を細め、星歌にグッと顔を近づけた。
「ん?星歌の顔がよく見えないな」
ひたいが触れるほどの距離で、星歌を見つめて囁く。
「これなら見える」
「…精次さん、ずっと見えてたよね?」
困惑しながらモジモジする星歌のこの反応に、緒方の胸がドキドキとする。
「星歌の顔を近くで見たいんだよ」
平静を装ってクールに言い放ち、そっと星歌のひたいにキスを落とした。
「せ、精次さん!」
「イヤか…?」
「…イヤじゃないよ…。嬉しいけど、びっくりしちゃったから…」
「嬉しい」の言葉に満足感が広がり、星歌の頭をそっと撫でる。
「ほら、行くぞ。不審者にならないようマスクだけにする」
「うん!買い物、楽しみ!」
「精次さん、ご飯何がいいかな?」
緒方は答える前に星歌の手を取り、指を絡める。星歌が恥ずかしそうに頬を染める姿がたまらない。
「星歌となら、何を作っても楽しそうだな」
緒方の胸はワクワクでいっぱいになっていた。