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白と黒のハーモニー 第二局 【ヒカルの碁・緒方精次】

第4章 ● ハッピー緒方ブームとおうちデート ○


 棋院で緒方は白川に詰め寄る。
「変なブームのせいで星歌と出かけられそうにないぞ?どうしてくれるんだ?」
「そんなに怒るなって。しばらくの間、おうちデートでも楽しめよ。一緒に料理したり、映画見たり、ゲームしたりでいいだろ」
「ゲームって…碁か?」
「おいおい、碁は絶対ダメだぞ。盤面並べて『ここどう打つ?』とかやったら、速攻帰られるぞ」
 白川は笑いながら一蹴する。緒方は一瞬ムッとするが、星歌が喜ぶようにするか…と納得する。

 週末、緒方は自宅で星歌を待つ。…星歌が家に来るのは3度目だが、付き合い始めてからは初めてだよな…。付き合っている男女が2人きりの家ですることって、やっぱりアレだろ…?…おい、星歌は高校生だぞ!そんなことを考えるな!緒方は慌てて煩悩を払った。料理や映画を楽しめと、白川だって言っていただろ…。不純な考えを吐き出すように大きなため息をつく。

 数分後、星歌を自宅に招き入れた緒方は、少し緊張しつつ紅茶を淹れている。星歌は周囲をキョロキョロと見回して観察しているようだ。緒方が星歌の前にマグカップを置くと、星歌が目をキラキラさせて言う。
「水槽、見てもいい?」
「ああ、いいぞ」
 星歌は跳ねるような足取りで水槽へと向かう。
「かわいい。餌やりしてみたいな…」
「ほら、これ」
 餌の容器を渡すと、星歌は慎重にパラパラと餌をまく。
「すごい!食べてる!かわいいね!」
 楽しそうな星歌を見て、心があたたまっていく。
「精次さん、魚がいるから一人暮らしでも寂しくないね」
 星歌が無邪気に言う。
 寂しくないのは、星歌がこうやって笑ってくれるからだろ…?そう思い、思わず微笑む。
 ソファに並んで座り、白川のアドバイスで選んだラブコメの映画を流し始めた。時折、星歌の笑う声が耳に心地よく、2人で過ごす時間が愛おしいと再認識する。
「このブームが落ち着くまで外は控えるか。けど、星歌との時間はこうやって作る」
「うん。映画たくさん見たいな」
 にこやかに言う星歌を見て、少し前までやましい気持ちを持っていた自分を反省する緒方だった。
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