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白と黒のハーモニー 第二局 【ヒカルの碁・緒方精次】

第21章 ○ 合格発表と不穏な知らせ ●


 星歌と明日美は、棋院近くのいつものカラオケボックスへ向かった。テーブルにはケーキとジュースが並び、明日美がクラッカーを鳴らす。 
「星歌、大学合格、おめでとう!」
「ありがとう」
 星歌は照れくさそうに笑う。その唇には淡いピンクの口紅がのる。
「ねえ、星歌、口紅!いつもノーメークなのに、珍しいね?」
「うん…」
 星歌が頬を染める。
「大人っぽいのにかわいくて、めっちゃいい感じ!やっぱり緒方先生から?」
 星歌が小さく頷くと、明日美がニヤリと笑う。
「その唇見てたら、緒方先生、キスしたくてたまんないだろうね」
「ちょ、ちょっと明日美!恥ずかしいよ」
 両手で顔を覆う星歌に、明日美は、追い打ちをかける。
「キスどころじゃなく、もっとすごいことしてるくせに〜」
「え!してないよ!まだ高校生だよ?」
「そうなの?9か月も経つのに?」
 明日美は少し驚くが、すぐに優しい笑顔を見せる。
「…好きな人でも、やっぱり怖いよね…」
「…うん。ちょっと怖いかも…」
明日美は、俯く星歌の顔を覗きこむようにして言う。
「でもさ、緒方先生って、星歌のことめっちゃ大事にしてるじゃん。だから、無理に急がなくていいと思う」
「…うん」
 星歌は小さく頷いた。胸の奥では不安とドキドキがゆっくりと広がっていく。…私、大学生になったら、精次さんのこと、もっと大人として受け止められるのかな…。でも、やっぱり恥ずかしい…。
 明日美が再びニヤリと笑う。
「『まだ高校生』ってことは、卒業したら、なのかな〜?卒業が待ち遠しいね、星歌も緒方先生も」
「そ、そんなこと…」
 星歌は言いかけて、どこかで、少しだけ期待している自分に気づき、再び顔を真っ赤にした。
 明日美は話題を変えるように言う。
「そういえば、棋院で星歌が緒方先生と抱き合ってたって、噂になってたよ?」
「…え!そ、それは、ちょっとした勘違いがあって!」
「勘違いで抱き合わないでしょ?本当にラブラブだよね。聞いてるだけでキュンキュンしちゃうよ」
 今夜も、甘い恋バナが長く続いていた。
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