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夜の秘め事【裏夢の短編集】【R18】

第12章 ※イタリアの空は、君を諦めない【REBORN ディーノ】


「足取りを追っていくと、数日前にバーで酔い潰れて眠ってしまった女の子を、数人の男たちが連れ去るのを見たという証言が得られた」



ディーノは膝の上で固く握りしめられたの手を、そっと自分の大きな手で包み込み、瞳をまっすぐに見つめた。
その眼差しは穏やかだが、マフィアのボスとしての鋭い洞察力が光っている。



「……聞いてもいいか。辛いことを思い出させてしまうかもしれないが」


彼は言葉を選びながら、静かに問いかけた。


「君はなぜあんな地下室で鎖に繋がれ、あそこまで執拗に男たちに回されていたんだ。……奴らは君に、何を求めていた?」


その問いにの肩がびくりと跳ねる。
脳裏にあの男たちの下卑た笑い声と、無理やり割り開かれた肢体の感覚が蘇った。




「……ボスの、女になれって」



掠れた声で、は途切れ途切れに話し始めた。


「あいつらのボスの、側室……。マフィアの女として頷けば、丁重に扱うと言われました。でも、私は……あんな奴らの言いなりになるなんて、死んでも嫌だったから」


ディーノの眉が、痛ましそうに跳ね上がる。



「断ったら……頷くまで地下で部下に回せって。毎日、何人も……。あんなに好きだったイタリア語が、あいつらの罵倒を聞くためだけの道具になって……本当に、怖かった」



口に出すと地下室の冷たい空気や、肌を蹂躙した男たちの感触が鮮明にフラッシュバックし、喉の奥が震えた。




「……すまない」



絞り出すような、掠れた声だった。
ディーノは痛ましさに眉を深く寄せ、まるで自分自身がその大罪を犯したかのような顔で俯いた。
彼の大きな掌が震えるの両手を包み込み、その温もりを分け与えるように力を込める。



「同じマフィアを名乗る連中が、君にそんな……地獄のような思いをさせた。俺たちの世界の薄汚れた論理が、君の尊厳を無残に踏みにじったんだ。弁明の余地もない。本当に、申し訳ない」


彼は一瞬、言葉を詰まらせた。
それから祈るような、あるいは固い誓いを立てるような真摯な眼差しで、まっすぐにを射抜いた。




「……イタリアを、嫌いにならないでほしいんだ」




その言葉は、静かな寝室に波紋のように広がった。





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