禪院家の落ちこぼれシリーズ 【R18】クロスオーバー
第14章 へなちょこな彼は彼女を愛したい 【REBORN ディーノ】
「そんな……お伽話みたいなことが」
ロマーリオが絶句する中、ディーノは黙って彼女の言葉を咀嚼していた。
「……合点がいったぜ。リボーンがお前に興味を持った理由も……お前、そんな過酷な場所で、たった一人で戦ってたのか」
「信じて……くれるんですか?」
「ああ。お前がそんな嘘をつくような奴じゃないことくらい、この短い付き合いで分かってるつもりだ」
ディーノは優しく微笑むと、彼女の細い肩を抱き寄せた。
「そうか。帰る場所がないっていうのは、そういう意味だったんだな」
「……っ、はい。私は、捨ててきたんです。あんな場所、二度と戻りたくない。でも、どこにも行く場所がなくて……」
堪えていた涙が、溢れ出した。
ずっと孤独だった。
異世界という、誰にも理解されない孤独の中でただ怯えていた。
「バカだな、いのり。場所がないなら、作ればいいだろ」
ディーノがその涙を指でそっと拭う。
「俺たちがいる場所が、お前の家だ。お前がどこの世界から来ようが、何を見てこようが、俺が大切にしたいのは今ここにいる『いのり』だ。……だろ、ロマーリオ?」
「ええ。ボスがそう仰るなら、私も、ファミリーも同意見です。お嬢ちゃんの居場所は、我々の隣ですよ」
「……ありがとう……っ。ありがとうございます……っ!!」
いのりはディーノの胸に顔を埋め、静かに泣いた。
禪院の血も、呪いの運命も関係ない。
ただの「いのり」として受け入れられた瞬間、彼女を縛っていた見えない鎖が、音を立てて崩れ去った。
夕暮れに染まる京都の空は、どこまでも高く、澄み渡っていたーー。