第16章 運命的な再開
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東堂さんの術式によって林のどこかへ飛ばされてから、十数分が経った頃。
私は心の中で東堂さんへの不平不満を叫びながら、当てもなく林の中を駆け回っていた。
(も〜〜!! 誰もいないし!どこなのここ!!)
前を見ても後ろを向いても、視界を遮るのは木々ばかり。
誰の人影も見えなければ、呪霊も見当たらない。
本当にここは高専の中なのかすら怪しい。
(………東堂さんの術式って何なんだろう。触れられたわけでもないのに、急に飛ばされちゃった)
確か、直前に乾いた手拍子が聞こえた気がするけれど、それが発動条件なのだろうか。
だとしたら、とんでもなく厄介で汎用性の高い術式だな。
手を叩くだけで相手を遠ざけたり、自由に間合いが取れるなんて。
(距離にも制限とかないのかなぁ……だとしたら凄いな)
さすが一級。
そう感心してしまいそうになった思考を、私は大きく首を横に振って振り払った。
……今は、そんなことを分析している場合じゃない。
私は、恵くんに託された役目を果たすために、再び虎杖くんたちの気配を探り始めた。
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「───ナマエ」
「……?」
自分がどちらから来たかも分からなくなって、無闇に歩くことをやめた時。
木々の奥から私の名を呼ぶ声が響き、思考のために閉じていた瞼をゆっくりと持ち上げた。
「こんな所に居たのか」
そう言って茂みを掻き分けて姿を現したのは、ツンとした黒髪が特徴的な、私の一番大切な人。
「恵くん…!!京都校の……ええと、加茂さん?と戦ってなかったっけ?」
「……ああ、それはもう倒した」
「凄い…!!」
互いに歩み寄る形で距離を詰めると、恵くんはふっと口角を緩め、私をじっとりと見下ろした。
その無言の視線が突き刺さると、恵くんから任された"虎杖くんとの合流"が果たせていない今の状況が、急に後ろめたくなっていく。
「あっ、あのね、私も虎杖くんとは会えたんだけど、東堂さんの術式で飛ばされちゃったみたいで。直ぐに戻るつもりだったんだけど、迷っちゃって、」
視線を右往左往させながら必死に言い訳を並べたけれど、恵くんは「そうなのか」と短く返すだけで、私を責めるようなことはしなかった。