第16章 運命的な再開
「私は、虎杖悠仁を殺すつもりだ」
突如零された、加茂さんの本音。
その言葉に自分が顰め面になっていくのが分かる。
「……楽巌寺学長の指示ですか」
「いや、私個人の判断だ。それが御三家───加茂家の人間として、正しい判断だと思っている」
「……アイツを殺したら、ナマエに恨まれますよ」
小さく零すと、加茂さんは僅かに肩を揺らした。
京都校の連中が合流した時、加茂さんがナマエに言い寄ったのを見てすぐに悟った。
……あれは人間が、所謂一目惚れとかいう、現実離れした現象を起こした時の行動だと。
「俺は、アンタがナマエにどう思われようが、別にどうでもいい。……ただ、アイツが塞ぎ込むのは……もうゴメンなんですよ」
虎杖が死んだ。そう正式に教室で告げられた後のナマエの表情が、脳裏から離れない。
生気を失ったように白く強張った顔で、震える唇を噛み締めて、涙を堪えて。
それからずっと俺たちにすら顔を見せなくなったアイツを、もう二度と、誰にも作らせたりはしない。
「やはり、君と私は同類だ」
「………違います」
何だこの人。急に怖いこと言い出したな。
話の脈絡が読めないせいで、理解が追いつかない。
「違くない」
「違います」
さっきから、俺のどこに共感しているのか分かったもんじゃない。
ナマエのことに関してなのか、それとも御三家の話なのか。
後者ならその話は、当主を目指している真希さんにしてくれ。
俺にはもう、禪院家との繋がりはないのだから。