第16章 運命的な再開
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これから行われる"京都姉妹校交流会"。
一日目は団体戦。指定された区画内に放たれた二級呪霊を先に祓ったチームの勝利。
区画内には三級以下の呪霊も複数放たれており、日没までに決着がつかなかった場合は、討伐数の多いチームに勝ち星が上がる。
妨害工作を含め、それ以外のルールは一切ないが、当然、相手を殺したり再起不能にするような過度な負傷を負わせることは厳禁とされている。
「あのぉ〜……これは、見方によってはとてもハードなイジメなのでは……」
「うるせぇ。しばらくそうしてろ」
京都校の連中と別れ、東京校の面々は一室へと集められていた。
午前中はこのままミーティングを行い、正午から日没までが交流会の本番となるのだが、部屋の空気は作戦会議とは程遠い。
「野薔薇ちゃん……流石にこれは縁起でもないよ」
「……うるさい。アンタにもさせるわよ」
「なんで……??」
さっきから"罰"として釘崎に遺影フレームを持たされた虎杖を中心に、交流会とは無関係な騒ぎが続いていた。
「まぁまぁ。事情は説明されたろ。許してやれって」
「しゃけしゃけ」
二人の制止もあって、やっと本題に移れる空気が戻る。
「なんて……??」
「狗巻先輩は呪言師だ。言霊の強制・増幅の術式だから、安全のために語彙絞ってんだよ」
喋るパンダ先輩と、独特の語彙で頷く狗巻先輩。
困惑する虎杖にすかさず補足をしてやれば、虎杖は「なるほど」と納得した様子で頷いた。
「"死ね"っつったら相手死ぬってこと?最強じゃん」
「んな便利なもんじゃないさ」
言葉を被せたのはパンダ先輩だった。
ナマエの術式と同様に、狗巻先輩の術式もまた、強烈な反動を伴うタイプの術式だ。
格上の相手に強い言葉を使えば、その言葉の質量はそのまま自分へと返ってくる。
たとえ格下相手であろうが、呪言を放つたびに狗巻先輩の喉は確実に削られていく。
───それは、自らの呪力を物質に精巧に付与し、同時に自分自身を呪いながら対象を操るナマエの術式と同じだ。
"人を呪わば穴二つ"
二人とも、自らを傷つけるリスクを孕みながら戦う術式を持っているということを、俺は改めて思い知らされた。