第16章 運命的な再開
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目の前で繰り広げられる光景に、眉頭が寄っていく。
宿儺とナマエの関わりを知ったからか。
ナマエと虎杖が初めて出会った時とはまた質の違う嫉妬心が、心臓の奥で疼き始める。
「…………伏黒サン。頼むから、怒んないで」
「……別に、」
怒ってない。そう口から出そうになった嘘を、無意識に飲み込んだ。
怒っていない、わけがない。
好きな女が目の前で他の男に触れ、あまつさえ慈しむように見つめ合っている。
生憎、俺はそこまで物分かりのいい男じゃない。 ………だが。
「……今日くらいは、いいだろ」
「あんまそんな顔に見えねぇんだけど……」
代わりに絞り出した言葉は、精一杯の譲歩だった。
本当なら今すぐにでも引き剥がして俺の背後に隠してやりたいが、虎杖の生存を誰よりも望んでいたのは他でもないナマエだ。
(……コイツがそれを確かめる為なら、今日くらいは────)
そう自分を納得させようとした、その時だった。
「ひゃっ……!?ぅ、……ぬるってした…」
「あ゛っ!?宿儺、お前ッ!!」
裏返った声音と共に、ナマエが弾かれたように虎杖から手を引き、添えていた掌を見つめて硬直している。
ふと虎杖の方を見れば、その頬に浮かび上がった宿儺の"口"が、卑卑しく舌なめずりをしていた。
「…………オイ、舐めていいとは言ってねぇよ」
「アッ…スンマセン……ってか宿儺に言えって……!!」
「うるせぇ。お前の管理不足だろ」
「いッッッてぇ!!!」
虎杖の言い訳を封じるように容赦なく頭を叩けば、虎杖は大袈裟に両手で頭を抱えてその場に蹲る。
ちなみに、そこまでの力を込めたつもりはない。……たぶん。
「………ナマエ」
「あ……ハイッ……」
掌を服でゴシゴシと擦るナマエに近寄れば、怯えたような瞳が持ち上がり、俺を映した。
さっさと宿儺の痕跡なんて上書きして、その不快感ごと俺のものにしてやりたい。
そんな衝動をどうにか心の奥へ押し込んで、俺はせめてもの仕置きとして、ナマエの額を指先で弾いた。