第16章 運命的な再開
微妙な顔をして不気味な人形を受け取った京都校の面々。
それを満足そうに見つめたあと、五条さんはニッと口角を上げて私たちの方へと向き直った。
「東京校の皆には────コチラ!!!」
ジャーン! と両手を大きく広げて荷台の箱に注目を集めると、五条さんは何かを察したように、わざとらしく箱から距離を取る。
その直後。
内側から箱の蓋がガバッと勢いよく開かれ、中から姿を現したのは────……
「故人の虎杖悠仁くんでぇーーーっす!!」
「ハイッ、オッパッピー!!!」
見間違えるはずのない、お揃いの桜髪と、陽気な声音。
冷たく、白くなっていたはずの皮膚は、すっかり生気を取り戻している。
濁っていた瞳はこれでもかと言うほどに輝いていて、何一つ欠損の無い身体で、彼───虎杖くんは、私たちの前に立っていた。
「……おい」
「あ、はい」
「何か言うことあんだろ」
「え」
大きな箱をゲシッと乱暴に蹴った野薔薇ちゃんの声は微かに震えていて、その瞳には涙が滲んでいる。
「「………」」
野薔薇ちゃんの涙を見るのはこれが初めてで、その意外な素直さに目を奪われていると、同じように戸惑っていた恵くんと視線がぶつかった。
お互い言葉には出さなかったけれど、生き返った虎杖くんを前にして、私たちの罪が溶かされていくような安堵に、少しだけ口角を緩ませ合った。
「生きてること……黙っててすんませんでした……」
オッパッピーのポーズを決めたまま、冷や汗を流して気まずそうに謝る虎杖くん。
そんな彼の頭を野薔薇ちゃんは一度だけ強く叩き、「次やったらマジで殺す!!」と吐き捨て、照れ隠しのように背を向けてしまった。