第10章 生きている証※
身体中が痺れるような余韻に肩で息をしていると、音を立てて胸の先が開放された。
そのまま恵くんの顔が流れるように登ってきて、また、深く唇が重なる。
甘くて、優しくて、愛おしい。
大好きな恵くんの腕の中で抱かれている間は、いつだって初めて二人で過ごした夜を思い出してしまう。
『……愛してる。…だから、傍にいてくれ』
あの日。不器用な恵くんが言ってくれたその言葉が、ずっと頭に残っている。
私を好きだと言ってくれた。
傍にいてと願ってくれた。
それだけで幸せだったのに、あれから幾度も身体を重ねてくれて。
その度に、私は暗く澱んだ重苦しい感情から浄化されるのだ。
「…指、いいか」
「っ……う、ん」
キスの合間に下着ごとボトムスも剥がされ、
せっかく着替えた恵くんのスウェットも今はベッドの下。
恵くんの問いかけに躊躇うふりをして頷けば、さっきまで敏感な蕾を愛撫していた指が、迷うことなく中に侵入してきた。
「んんっ……!」
いとも簡単に弱点を見つけられ、もう知り尽くされていることに少しの気恥ずかしさと、どうしようもない幸せを感じてしまう。
ゆっくり、優しく、中の一点を抉るように愛撫され、それが気持ちよくて。
いつの間にか、口元を手で抑えて声を我慢することなんて忘れていた。
「あ……んんっ、…めぐみ、くん…っ、」
恵くんの首に腕を回し、ぎゅうっと強く抱き締めながら、うわ言のように何度も名前を呼んだ。
「ひゃっ…、」
ふと耳元で恵くんの熱い吐息が吐かれた時、新しい快感に身体がビクリと震えてしまった。
「あ………っ」
「……」
一瞬だけ恵くんの愛撫が止まり、自分の喉がこくりと鳴った。
それはこれから訪れる快感への恐怖か、それとも期待なのか。
答えはきっと、恵くんにしか分からない。
「ふー……」
「ひっ…あ──ッ!!」
さっきの私の反応の出処を探るためか、恵くんの息が意図的に、耳へと直接吹きかけられる。
直後。
身体は大袈裟にビクンと揺れて、中に入った恵くんの指を締め上げてしまった。
そのせいで弱い所に強い圧がかかり、散々ゆっくりと焦らされたのも相まって、私は呆気なく二度目の絶頂を迎えた。