第10章 生きている証※
恵くんは、荒い息をする私に甘いキスを落とした。
いつだって優しい恵くんは、絶頂の直後はこうして労わるように熱を分け与えてくれる。
それでも───ピリ、と聞こえた何かの包装がちぎれる音が聞こえてしまえば、
私の身体は抗いようのない期待で、再び自分の熱を取り戻し始めてしまう。
「ナマエ、」
「んっ、…うんっ、へいき、」
私の名前を呼ぶ声が、微かに震えていた。
不安げに揺れる恵くんの瞳を安心させたくて、私はできるだけ大きく頷いて、その黒髪を優しく撫でた。
もう何度も繋がっているのに、この瞬間だけはいつも、昔の────私を壊すのが心底怖い、と言いたげな恵くんに戻ってしまう。
「っ……は、ぁ…っ」
「んっ…ぁ、ふ……ッ」
みりみりと内側の肉を押し広げながら、恵くんが私の中に侵入してくる。
一寸の隙間もなく、彼という存在で中が埋め尽くされていく感覚。
痛いほどの質量と脳を痺れさせるような熱が、さっき指で与えられた快感とは比べものにならないほどの衝撃となって全身を走る。
「……あ、……めぐ、み、くん……っ」
「ッ、はぁ……」
「んっ……あぁッ!!」
恵くんは熱い息を吐いた後、ゆっくりと、容赦なく最奥まで腰を進めた。
子宮の口を直接叩かれるような深い快楽に、私は逃げ場を失って恵くんの肩に爪を立てた。
「……っ、全部、入った、」
「はっ……は、っ」
喉の奥で押し潰したような、恵くんの低い声。
繋がった場所から伝わってくる脈動が、ドクドクと私の内側を直接揺さぶる。
そんなはち切れそうなほどに満たされた感覚に、視界がちかちかと白く爆ぜた。