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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第29章 信頼と恋敵


空気が柔らかくなる

五条は何気なくサラダを取り分けて差し出す
「ほら…まず野菜」
『お母さんみたい』
「疲れた相手に発動する術式」
『ぷっ、ふふふ…何その術式っ!』

和やかな食卓の時間…
外から、夏の虫の声が聞こえてくる

ゆったり食事をする

皿はほとんど空になり、 談笑しながら食べていたせいで、 気付けば時間がかなり過ぎている
スーパーで買ったコーヒーゼリーを開け、 スプーンで崩して口へ運ぶ

甘さと苦味が口に広がる
『……悟って、料理うまいよね』
「でしょ?」
出された料理はどれも味付けも盛り付けも良くて
自分の作る“とりあえず食べられる料理”が、 少し恥ずかしくなる

だらだらと話しながら、 ゆっくり時間が流れる
――その空気を、五条が切り替えた

「で、本題なんだけど」
スプーンを置く音
「祭の時に何かあったって聞いたよ?」

紅海の手が止まる
少し迷ってから、 金魚すくいの屋台での出来事を話した
呪霊に魂を触れられた感覚…それ以降、見るようになった夢
けれど――
夢の内容は思い出せない

話し終えた瞬間
五条の表情から軽さが消えていた
「……なんで、それ僕に言わないの」
怒鳴ってないけれど圧がある

『ごめん、大した事じゃないと思って…』
「大したことあるよ、魂に干渉されてる可能性あるんだよ? 呪術師にとって一番ヤバい…報告書で済ませる話じゃない」
心配して叱ってくれているのが分かる…

紅海は小さく肩をすくめる
『……はい』
「はいじゃない、次からは、まず先に僕」
少し間考えて
「いや、僕じゃなくてもいいよ…誰かに言いな?」

訂正するあたりが、 余計に真剣だった
『うん…ありがと』

ふと時計を見ると思ったより遅い
『あ、こんな時間…もう帰らないと…』
立ち上がる…
本当は―― もう少しここにいて、いっぱい話したい
でも…そんな事言えないし、いる理由が思い付かない

五条も立ち上がった
「そうだね、小言はここまで…家まで送るよ」

けれど紅海は首を振る。
『ううん、大丈夫!一人で帰れるから! ここから家、近いしね?』
鞄を持ちながら笑う
『悟の料理、美味しかったよ!ありがとう』
「良いって、送るって…夜道、危ないだろ?」
『ほんと大丈夫……彼女に悪いし…』

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