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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第29章 信頼と恋敵




五条の眉が明確に寄り何か言いかけた時に紅海が口を開く

『京都に配属された時に、教師として入ったからさ…
任務少なめだし別にいいですって言ってたんだけど…
いつの間にか任務増えてて…でも今さら言いにくくて…』

「はぁ!?」
思わず声が荒くなる
通行人が一瞬こちらを見る

そういえば、由布湯に一度、紅海の京都での任務事情を聞きに行った事があった

その時は、どんな任務を任されていたのかを聞いた…
確かその時も、紅海は無茶な任務を振られていると聞いたが…まさかココまでとは…

「ばっかじゃねーの!」
額を押さえ、深いため息

「……あのさ」
怒っているというより、呆れと焦りが混ざっている
「それ、完全に搾取されてるよね?」
『いや、搾取ってほどじゃ…』
「あるだろ…術師としての任務報酬…別枠の危険手当、特級案件の加算…」
指を折って数える

「紅海の術師の等級で教師の給料一本とか、そんなの上層部が聞いたら喜んで利用するに決まってんじゃん……自分の価値、安売りしすぎ」

紅海は困ったように笑う
『でもさ、皆忙しいし…私が動いて回るならそれで良いかなって』
五条は紅海を指差す
「それ!昔から変わってない…紅海は、お人好しすぎるし“自分が壊れるライン”を計算に入れてない」

ため息をついて歩き出す…少し後ろを、ションボリしつつ歩く紅海
少しだけ、空気が重くなる
そして突然五条はスマホを取り出した

「今から、報酬の申請し直す」
『え!?今!?』
「今」
画面を操作しながら歩き出す
「伊地知に言っとく…事務処理はあいつが一番早い」
『ちょ、ちょっと待って悟、そんな大事にしなくても…』
「する」
振り返らないまま言う
「紅海が自分で自分を守らないなら、周りがやる」

あらかた伊地知と話を済ませた五条は振り返る
「で、飯」
さっきまでの空気を切り替えるように
「今日は僕が奢るよ」

『いや、それはダメ…前もそう言って奢って貰った…
だから、ちゃんと割り勘しよ?
ね?次も一緒にご飯行きたいから』

一瞬…五条が止まってほんのわずかに笑う
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