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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第28章 祭と涙


七海は腕時計をチラリと見る
「そうですね、では行きましょうか」

『やったー!お店の中に1人で入るの勇気いるから悩んでたんだよね~』
暫く七海の用事を少し待ってから、駅裏の小さなカフェへ入る

冷房の涼しさに紅海がほっと肩を落とした
「体調はどうですか?」
『もう全快したよ、ありがと……』
水を一口飲み、柔らかく笑う

『今はね、一年が交流戦に出るために頑張ってる。京都の子達も気合い入ってるからね』
「それは良かった」
注文を終え、七海は姿勢を崩さないまま紅海の話を聞く
『私達の頃は、悟が、ちょいちょいのちょーい!って交流戦早く終わってたけどね~』
紅海の言葉に七海は苦笑する

「ええ…正直、交流戦として成立していませんでした」
『でしょ? 悟は殿堂入りで見学でも良かった気がする』
「本人が最も退屈するでしょうね」
少しだけ口元が緩む

料理が運ばれてくる
紅海は嬉しそうにプレートを覗き込み、写真を撮った
『七海ってさ、ちゃんと休めてる?』
「最低限は…自分で管理するのも社会人としての基本ですからね」
『偉いなぁ……』
フォークを持ちながら、ふと視線を上げる

『七海、イケオジにはなったけど
昔から、そう言うところ変わらないよね…安心する』
七海は少しだけ紅海の方を見た
「……流鏑馬さんも変わらないです…いや、一つだけ…」
『え?なに?』
「以前より、無理を隠すのが上手くなった」
紅海が一瞬だけ止まる

「ですが」
七海はコーヒーに口を付けてから続ける
「周囲が見ていないわけではありません
私も五条さんも…あなたが思っているより、気にしています」

『なんか保護者増えてない?』
「否定はしません…だから、無理な時は無茶はせず、頼ってください」
淡々と言いながらも、七海の声色は優しかった

あ、そうだ!と、紅海は祭のチラシを見せる
『コレ…生徒達と行こって言ってて
七海も誘おうと思ってたんだけど、出張って聞いたから…』
七海は眉を寄せる…聞いた?と内心引っ掛かりつつチラシを手に取る
「……確かに…この日はいませんね」
『だよね~、良いなぁ…出張!
何て言うのかな…出張って仕事なんだけどさ
出張費用も出るし、自分の知らない場所に行ける非現実的な感じ?ちょっとした旅行気分で良いよね』
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