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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第28章 祭と涙


そりゃあ、傑と祭に行くのは確かに楽しかったかもしれない
でも、それは今は、どうでもいい

さっき鳥居でしゃがんでた姿を見てからは
どうすれば紅海の体調が良くなるのか、ずっと考えている…

その時

「何、いちゃついてんの?」
後ろから声が聞こえた

夏油だ
五条がビクリと振り返る
反応する速度が早い
「なっ!なんでイチャつくとかなるんだよ!
傑、逆に妬いてんの?紅海と仲良いもんな?」

夏油が薄く笑う
「紅海と仲良いけど…あれ?悟くんの方こそ妬いてんのかな?」

「違ぇーわ!!」
その後ろからぞろぞろと人影

「紅海先輩、大丈夫ですか?」
灰原が心配する…手には、りんご飴

その他にも、串焼き、綿菓子、焼きそば
全員、屋台で彼女の分を買ってしまった結果、量が異常に増えている

「お前ら、それ……買いすぎじゃない?」
五条が呆れた声を出す

部屋を覗き込み、状況を一目で理解した

「はいはい、騒がない」
静かな声で硝子が言う

「紅海、寝たから」
いつの間にか紅海は自力で布団に入って横になっていた

額に手を当てる硝子
「熱あるね無理して来たんだろ」

誰も言葉を続けない
五条は少し離れた場所に立ったまま、紅海を見る

眠った顔

目の前で涙を流した…
それも自分が祭に行けなかったからじゃない

俺が傑と一緒に行けなかったとか
祭に行く雰囲気壊したとか意味解らない理由で…
理解ができない…
もっと自分の事気にしろよと、紅海に思う

現代══
あの頃と紅海は全然変わっていない

紅海は机を隔てて五条の前に座り、ふと思い出したように言う
『ね?じゃあ悟も行く?』
祭のチラシを見せて軽い調子で聞く

五条は、スマホを見下ろしていた視線だけを上げる
「ん~、行きたいんだけどね…多分、出張入る」
『そうなの?じゃあ、七海とか誘ってみようかなぁ』

五条の眉がわずかに動く
「いや、七海と出張」
『え!?七海と!?ずるい!』
その反応が早すぎて、五条は思わず笑った

―どっちの意味だ?
七海と行くのがズルいのか
二人で遠くへ行くのがズルいのか
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