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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第27章 理由と利用


あの瞬間、周囲の評価と、まったく違ってびっくりした

周りの女と違って媚びないチヤホヤしない

自然体に話しかけてくるし
こっちの心配してきたり

だから無意識に張り合った
からかったり、意地悪してみたり
距離を乱した…注意を引くみたいに

ガキだったよなぁ
小さく笑う

今になって理解する
あの時もう、紅海の事を気になっていた

自分を特別扱いせず、強さにも家柄にも期待をしない
「普通」でいさせてくれた人

今でも彼女の僕に向ける視線は
『ただの五条悟』で、変わってない

だから、彼女を守りたいとか、幸せにしたいとか
そんな綺麗な理由じゃなくて…嫉妬するくらい好きなだけ

前を歩いていた紅海が振り返る
『悟?どうしたの?』
「んー?別に」
少しだけ近づいて肩を紅海に軽く当てる
「考え事ー!」

『っわ!もお!なに?難しいこと?』
「いや昔から面倒な女好きだったのかなって」
『え?』
意味が分からず首を傾げる紅海

まぁ、これで気付いてたら、今頃は進展してる

今日もこの気持ちを気づかれない距離で、隣を歩く
═══
玄関のドアが閉まる音
紅海は無意識に息をひとつ吐く
靴を脱ぎ、鍵をいつものように下駄箱の上へ置く

夕飯の支度をして
静かな部屋の中で食卓に並べ淡々とご飯を食べる

スマホが震えた…画面を見ると
遊佐くん
今日、話し合った、交流戦資料と
「今日は一緒にランチ行きたかったわ
紅海ちゃん、無理せんようにな」
とメッセージ

少しだけ口角が上がる

資料ありがとう、助かります
また今度ランチ行こうね

動物のスタンプを送る

「…遊佐くん…マメだなぁ」
気遣いが自然で距離の取り方も上手い
本当に、いい人

――この時間の彼女は少し温度の低い、素の状態
ただ、静かに考えるための時間
不意に今日の声が蘇る
「キスされると思った?」

思い出した瞬間、箸が止まり心臓が一拍ずれる
目隠ししてたくせに
距離、近すぎで、めちゃくちゃドキッとした
いやいや、そういうのじゃないし
どちらかと言えば悟は、サングラスか何もしてない顔の方が…好み…

そこで思考が止まる
違う違う!!!

テレビの俳優さんを「かっこいい」って言うのと同じ
―多分

自分に言い聞かせるように、残りを食べ終える
そしてまた―同じ日常が続いていく
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