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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第27章 理由と利用


紅海の頬に手を当てる

「君を助けられなかったなって
宿儺が紅海に触れた事…理屈では分かってる
…でもさ」

苦笑する
「全然、納得できなかった
会ったら多分、冷静でいられないと思って」
だから距離を置いた

『……そんなの…悟のせいじゃないよ』
即座に否定する

でも五条は首を横に振った


六眼は負傷した紅海の全てが見えていた
噛み跡も…呪力の侵入経路も
奪おうとした痕跡も…
一瞬、沈黙が落ちる

『その…自分でも、ショックじゃないって言ったら嘘だけど』
小さく笑う
『でも……あれは戦闘中の事故の様なものだし』
紅海は自分に言い聞かせるように言った

五条はポケットに手を突っ込んで下を向く
「自分の感情だけで避けて悪かったよ
今日、久しぶりに紅海の顔見たらさ」

少し困ったように笑う
「そんなの、どうでもよくなった」
宿儺は恋愛感情無く触れたはずだ…
それなのに自分は強い嫉妬と自分自身の憤りで紅海を避けた

本当は、目の前にいる紅海を、ずっと見ていたかった
「ねぇ紅海?僕が避けてたって思ってた間、寂しかった?」

え?…と紅海は思考停止する
街の音が遠くなる

指先が無意識に袖を握る
『正直……不安だったよ
私、弱いし……悟を怒らせちゃったのかなって思った』

言葉を選びながら続ける
『あとね、1年達……すごく成長してるでしょ?
そういうの、悟に話して共有したかったし……』
その笑顔は柔らかい

『ごめんね…』
五条の眉がわずかに動く
『私、もっと強くなるよ…それで、悟に心配されないように頑張る』

真っ直ぐな目だった

助けられなかったと言う、その言葉を
紅海は完全に別の意味で受け取っている

同僚として、任務で傷ついた仲間として心配していると受け取ったんだろう
「……」

五条は何も言わない
そして、小さく息を吐く
違うんだけどな~…と、内心でだけ呟く

ただ――
自分の知らないところで、
自分の手の届かない場所で、
紅海が触れられたことが耐え難かっただけ

完全に、個人的な感情だ
でも目の前の彼女は、それに気づかない
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