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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第27章 理由と利用


会議室の空気は、議題がすべて処理されたあとの緩みだけを残していた

長机の上には資料が整然と並び、議論はすでに終息している

夜蛾、その向かいに楽厳寺

そして、五条と庵歌姫

紅海と遊佐は少し離れた位置、出口付近に控えている

誰もが「終わった」と理解している雰囲気
夜蛾が軽く咳払いをする
「楽厳寺学長……この度は遅れてしまい申し訳ありませんでした」
礼儀としての謝罪

だが返ってきた声は乾いていた。
「いや、謝罪よりも、しつけを優先して欲しいとは思うがのぉ……」
視線は一瞬だけ五条へ向く

しかし本人は椅子に浅く腰掛けたまま、頬杖をついている
悪びれもなく、むしろ退屈そうに笑っている
空気はそれ以上膨らまない

夜蛾がまとめに入る
「では、解散とする」

椅子が軋む音がいくつか重なる
会議は静かに終了した

廊下へ向かう流れの中、歌姫が紅海へ近づく
声は抑えめ。

「紅海、これからランチ行ける?学長先に帰るらしいから送っていったら、行けるんだけど」

紅海の顔が少し明るくなる
『行きたい!』

すぐに返事が出る
そして視線が横へ
『遊佐くんも行く?』

気遣うような声
遊佐は小さく息を吐く
「紅海ちゃん、誘ってくれて嬉しいんやけど……ボク、学長のお供なんよ」
申し訳なさを混ぜた断り方
『えー、残念……』

そのやり取りを、少し離れた位置から見ていた五条が口を開く
「なになに?なんの話?僕も行こうかな~?」

歌姫が即座に眉を上げる
「なんの話って、行こうかなって事は聞いてたんでしょ?
別に無理してこなくても良いのよ」
容赦ないツッコミ
五条は肩をすくめる
「全然?無理じゃない」

紅海が少しだけ顔を上げる
『じゃ、悟も行く?デザート美味しいところ』

その言葉に、空気が一瞬だけ柔らぐ
紅海の中で張っていたものが、少しだけ緩む
良かった……避けられてるわけじゃない
そう思えたからだ

きっと、悟は忙しいし、たまたま会わなかっただけ
そう思えただけて心が軽くなった

遊佐はその様子を見て、わずかに目を細める
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