• テキストサイズ

【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第26章 死と距離


紅海は、高専の医療棟から正式に退院した
身体の傷は癒えている
だが、呪力の巡りだけがまだ鈍い

任務に復帰するにはまだ早い
だからこそ、別のことを考えた

高専・二年教室

「……真希ちゃん、棘くん、パンダ」
三人が同時に振り返る。
「お、紅海ちゃん、無事に退院したんだな」
禪院真希が腕を組んだまま言う

「うん、まだ戦闘は止められてるから、迷惑かけるけどね」
紅海は少しだけ笑った

少し間を置いてから、本題に入る
「ねえ、皆に、お願いがあるの」
三人の視線が集まる。
「今度、交流戦あるでしょ?3年生は実質いるようで居ないようなもんだから
2年が中心に出ると思うんだけど…
1年生の2人を、交流戦に誘ってあげてほしい」
真希が眉を上げる
「急だな」
紅海は頷く
「…実力は申し分ないけど、今、ちょっと精神的にしんどい時だし…」
声は穏やかだが、どこか自分に言い聞かせているようだった
「教師の私が言うより、先輩から声かけてもらった方が、押し付けずにいいと思って」
少し視線を落とす。
「自主的に、前向きになれるきっかけの方が……いいから」
パンダが静かに頷く
「…紅海…気ぃ遣ってんなぁ」
紅海は首を振った
「うーん、気遣ってると言うより、あの子達の事が心配だからかな?」
一瞬だけ沈黙する

真希が机から腰を上げる
「分かった…良いよ、誘う…1年達に何があったか知らないけど、交流戦に出すなら、それなりの気合い入れて貰わないとね」
「高菜」
「ん??」
狗巻は1年の虎杖が亡くなった事を知っているため
真希に伝えたかったが届かず…

「まぁ、今年は憂太いないしな」
寂しい?と、パンダが付け加え、真希が軽く殴る

『ありがと』
紅海は軽く頭を下げる

教室を出る直前、棘が小さく言った
「しゃけ」
――任せろ、という意味
紅海は微笑んだ
廊下を歩きながら、ふと気付く

最近、五条を見ていない
入院中も、結局、あまり顔を出さなかった
退院してからも数えるほどしか会えず

忙しいのだろう
特級術師だ…任務も多い
そう理解しているのに
胸の奥に、小さなトゲトゲが刺さる

『悟…元気かな…』
悟のポジティブな声が聞きたいな
ふと思い、ダメだ!こんな気持ちじゃ!
考えるのをやめる

今は一年生のことが先だ
/ 285ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp