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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第26章 死と距離


五条が全てを終わらせ、伊地知からの連絡が繋がった時には
虎杖は死亡していた

高専、処置室にて
ベッドの上には白布を掛けられた少年
五条悟は壁にもたれたまま動かない
伊地知が報告を終える
「……以上が、今回の任務経緯です」

長い沈黙
五条から、上層部への怒りを感じる

扉から家入硝子が入ってくる
「硝子…紅海の状態は?」
「…紅海の処置はなんとか終わった…生きてるよ」
硝子は肩を竦めながら続ける
「ただし、呪力の流れがズタズタ…例えるなら、回路を無理やり引き裂かれた感じ」
「……宿儺が?」
「伏黒から聞いた状況から予想すると…恐らくね?
紅海の呪力を直接接続された形跡がある」
五条の眉が寄る

胸の奥で言葉にならない苛立ちが膨らむ
なんで僕がいない時に限って
拳を軽く握る

その後…虎杖の解剖に取りかかろうとする硝子の背後で
宿儺との縛りを成立させた虎杖は復活し起き上がる…

プラス思考の五条と虎杖はハイタッチをするのだが…
復活した、その縛りの内容を思い出せない不穏が残った


══高専、病室
暗い…瞼を閉じているはずなのに
あの光景が浮かぶ

砂の匂い…血の味
地面に膝をついた感触が、何度も何度も繰り返される
宿儺の息がかかる距離

『……っ』
逃げようとしても身体が動かない
喉が塞がれる感覚
呪力が――触れられる

魂そのものを指でなぞられるような、不快な侵入
唇に触れた瞬間の記憶が蘇る
熱い…奪われる感覚
吸い上げられる呪力
自分の中を覗かれている錯覚
「――やだ……」
声にならない…

薄く目を開くと白い天井が見えた

消毒液の匂い
「……また、ここか……」
声が掠れる

身体が重く呪力がうまく巡らない
内側がバラバラにされたみたいな感覚
ゆっくり記憶が戻る

虎杖の顔が浮かぶ
意識が薄れた中で、倒れた虎杖を見た気がする
『…わたし…なんで…何で…』

心が冷えた感覚

わたしの判断ミスだ
もっと、判断が早ければ…助けられたかもしれないのに

『ごめん…ごめんなさい』
シーツをギュッと掴む…

少しして病室の扉が静かに開く
「……起きてる?」
聞き慣れた声

紅海は少しだけ視線を動かす
『……悟』
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