• テキストサイズ

【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第26章 死と距離


電車は他の人身事故で止まっている…タクシーも考えたが…
紅海は笑った
荷物をロッカーに押し込み、鍵を閉める

『ごめんイッチー、公共交通機関は諦める…緊急事態だから…気付かれないようにはするよ』
「え?」

次の瞬間…床を蹴る
呪力が脚部に集中し、跳ね上がる

紅海は大量の呪力を保持している
そのため、身体能力に呪力をベッドする


駅構内の天井近くまで跳躍
着地と同時に再加速
人混みの視線が追いつかない

『直接行く…』

風を切る音
ビル屋上へくるっと回り跳び移る
パルクールの超人バージョンとでも言うのか
東京のビルを一直線に駆ける

間に合って…
脳裏に浮かぶ

笑う虎杖
不器用な伏黒
強がる釘崎

悟がいない時に、わたしが守らないでどうするの

奥歯を噛む
呪力がさらに密度を増す

街灯が後方へ流れ、高層ビルを踏み台に、夜空を駆ける

その頃――
英集少年院内部

虎杖悠仁の意識が、ゆっくり沈み始めていた
外ではまだ誰も知らない

この任務が1人の死へ繋がることを

═══
西東京市 ― 英集少年院に紅海が到着する
帳の外なのに、そばに立った瞬間、紅海の背筋に冷たいものが走る
『…なに、これ』
空気が重い
呪霊ではない
もっと暴力的で、生きている災厄
胸の奥がざわつく
知らないはずなのに――分かる
『…もしかして…宿儺?』

自分でも理由が分からない
だが、呪力の質が“理解できてしまう”
血が反応するように
遠い記憶が呼び起こされるように

『もしかして、虎杖くんが!?』
迷いなく帳を越える

少しすると、人影が見える

胸を貫かれた少年の身体
虎杖悠仁
だが、立っている

違う…立っている“もの”は…宿儺だ


伏黒が息を荒げながら距離を取っていた
「…っ!」
紅海の姿を視界に捉え、わずかに肩が下がる
「先生!」
安堵が混じる声

その瞬間
虎杖の顔で笑う存在が振り向いた

うっすら見える四つの眼、紋様
「…なんだ」

宿儺が興味深そうに目を細める
「お前は…あの時の…巫女か」
『わたしは巫女じゃないし、自分の先祖なんか知らないよ』

軽く構え視線は逸らさない
伏黒が短く状況を告げる
「先生…この状態では虎杖は戻りたくても戻れません、欠損状態では戦えないと宿儺が少しでも思って心臓が治れば…」
『なるほど…』
/ 285ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp