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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第25章 休暇と浴衣


══閑話══
事務室

『イッチー、これ。お土産』
書類の山に埋もれ、顔を上げた伊地知が一瞬固まる
「え…そんな、お気遣いなくても」

『休み組んでくれたでしょ?助かったよ』
「ありがとうございます、生徒達も…大きな問題はありませんでした」

袋を受け取り続ける
「正直、一瞬だけ危なかったですが……三人揃えば、こなせていましたよ」

『だと思った…もし本当に危なかったら、悟なら絶対戻ってたと思うんだよね
それが無かったってことは、生徒達、頑張ったんだなって』

紅海は、五条悟という術師を理解している
「本当に信頼されているんですね」
『ん?』
「五条さんのことです」

紅海は少し考えてから、肩をすくめる
『信頼っていうか…長い付き合いだからかな』
「五条さんも、楽しそうでしたよ」

『…そう?』
「ええ…戻ってきた時、機嫌が良かったので」
紅海は小さく笑う

伊地知がふと思い出したように口を開いた
「あと…あの、一年生達には何も話していませんが」
『ん?』

「“あの二人、一緒にどこ遊びに行ったんですか?”と、探りを入れられまして」
紅海の肩がぴくりと跳ねる
『わ、野薔薇ちゃん辺り?』
伊地知は苦笑した

「ええ……鋭いですね
ご安心ください…2人がお付き合いされている事は言っていませんので」

『ありが……ちがっ!違うよイッチー!』
勢いよく否定する声に、伊地知が目を丸くした
「え?」

紅海の顔が赤くなる
『付き合ってないから!』

伊地知は完全に困惑した
「え…てっきり…自然な関係に見えたので」

『ううん、高専ん時からの友達!
でも、皆に誤解されたらいけないから……内緒にしておいてね?』
「…承知しました」

紅海は照れ隠しのように笑って職員室を出ていった

伊地知は呆然とした
…付き合っていない?

長年補助監督を務めてきた経験上、人間関係の空気を読むことには自信がある

少なくとも…五条さんは、流鏑馬さんのことを好いている

流鏑馬さんは…

紅海の否定している真っ赤な顔を思い出す
ご自身の感情に、かなり鈍いタイプなのでは?

伊地知は小さく息を吐いた

机の上のお土産を見る
まんじゅう…きっと二人で選んだのだろうなと
伊地知は微笑ましく思う
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