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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第25章 休暇と浴衣


せっかくの旅行で、悟、楽しみにしてたし

迷惑かけないように
心配させないように
失敗しないように

『よし!ちゃんとしなきゃ』
そう決めて、灯りを落とした

次の日
朝市に向かう2人

まだ人もまばらで、土産物屋の暖簾も半分ほどしか上がっていない
山の空気が冷たく、湯気の匂いが静かに漂う

紅海は歩きながら、自分の足元ばかり見ていた
今日は迷惑をかけないようにしなきゃ

「……紅海?」
隣から声が落ちてくる
「どしたの?」
少し覗き込むように顔を傾ける五条
『え?』
「なんか考え事してる?」
軽い口調なのに、観察は正確だ
『……別に』
「別に、じゃないでしょ」
五条は歩みを止める
紅海もつられて立ち止まった

視線が合う
そのまま少し黙ってから、紅海が小さく息を吐いた
『……昨日さ、せっかくの旅行なのに、迷惑かけたなって思って』
五条の眉がわずかに動く
『サンダルも失敗したし、絡まれるし……悟、楽しみにしてたのに、私ばっかり問題起こして』
言いながら、自分でも情けなくなる

『だから今日、あと半日だけど、ちゃんとしなきゃって』
「……気にすんなよなぁ」
ぽつり、と落とす

「僕は紅海が楽しければ良いのに」
ポケットに手を入れたまま続ける
「紅海が失敗したって思って方うが、よっぽど嫌なんだけど」
『……でも』
「でもは禁止ね?」

少しだけ口角を上げる。
「紅海が楽しんでない旅行とか、僕にとっては意味ないんだよね?」
その言い方があまりに自然で…押し付けじゃなくて
ただ隣にいてほしいだけみたいで
紅海は小さく笑った
『……なんか難しく考えすぎちゃって、ゴメン』

「じゃあ、今日の目標~!」
指を一本立てる。
「思いっきり楽しむ!!以上!」
子供みたいな目標なのに、安心できた
歩き出すと、今度は五条の歩幅がほんの少しだけ紅海に合わせられていることに気付く
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