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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第25章 休暇と浴衣


══
確かに紅海も覚えている
五条と夏油が、教室で、じゃれて手合わせしていて…たまたま教室に入ってきた紅海と五条がぶつかった
『わ…』
足を捻って、倒れる紅海
「悪い…」すぐに謝る
『っいた…』
足首を触って顔をしかめる紅海を見て
「大丈夫かい?」
夏油が跪く
フワッと紅海の身体が浮いた…横抱き、いわゆるお姫様抱っこ
『えっ…ちょ、傑…』
「こう言うのは、すぐに医務室で手当てした方が良いからね」
静かに説得力の有る言葉を紡ぐ
紅海は観念して、おとなしく収まった…
══
『だって、あの時、傑は普通に心配してくれてただけでしょ!?』
「ふーん僕も、いま心配してるんですけど?」
歩きながら、少しだけ腕に力を込める

『でも、そ、それは……今は状況が違うし!』
「何が違うの」
『ぅわー、悟の意地悪!』
五条は前を向いたまま、小さく笑う


『もぉ、やっぱ歩けるよ』
腕の中で小さく身じろぐ

「ほら、ちょっと暴れるなって…」
『はずかしぃ』
「人気のないとこ選んでるから大丈夫…」
本当に、人影は少ない

提灯の灯りだけがゆらゆら揺れて、足音だけが夜道に響く
距離が近くて紅海は逃げ場を探すみたいに視線を泳がせる

ふと、五条の浴衣から覗く肌が目を止まった
『悟って思ってた以上に鍛えてるんだ…』

言った瞬間、固まる

あ、今、口に出した?

一拍置いて
「もー、やだー!紅海の変態っ」
『なっ!!』
顔が一気に熱くなる

「ぷはっ!冗談だよ」
堪えきれず笑う声

肩が揺れても、抱えている腕はびくともしない
むしろ、落ちないように自然と抱き直される
そのさりげない動きに、紅海は少しだけ黙った

『疲れるでしょ?もう良いよ』
「こんなので疲れてたら最強は名乗れないね」
軽い調子だ

でも歩幅は一定で、揺れもほとんどない
『ぅぅ…』
恥ずかしさに負けて、紅海は顔を伏せる

五条は前を向いたまま、ただ、少しだけ腕の力を強めた
夜風が吹いて、紅海の髪が頬に触れる
——もう少しだけ、このままでいたい
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