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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第25章 休暇と浴衣


温泉街・夜の繁華街

提灯の灯り
土産物屋と居酒屋…いろんな店が並ぶ細い通り
観光客の笑い声と、酒の匂い

「ちょっと待ってて。さっきの饅頭、やっぱ買おうよ」
『え?いいの?』

「紅海が美味しそうな顔してたからね、僕も食べたいし」

そう言って引き返し五条は饅頭屋へ向かう

紅海は店先で待つ
浴衣の袖を軽く押さえながら、人の流れを眺めていた

――その時
「おねーちゃん一人?」
「一緒にこれからカラオケ行こうよ」
酒臭い声
振り向くと、三十代くらいの男が2人
完全に酔っている

『あ、いえ、連れが――』
「いいじゃん少しくらい」

距離が近い
紅海は一歩下がり笑顔を作る
いつもの対人用の柔らかい表情だ
『あはは、ごめんなさい、ここのお店で友達が待ってて…』

通り過ぎようとした瞬間
「ほらほら、待ってって」
男の手が、腰に触れた

ぴたり、と止まる
一瞬理解が遅れる

――触られてる
術師として戦闘中に掴まれることはある
でもこれは何か違う
『えっと〜、ごめんなさい…離して貰えますか?』
「そんなこと言わずに…ね?」
もう一人の男が紅海の手首をつかむ

嫌悪が遅れて胸に広がる
『ちょ、ほんと…ごめんなさい』

声が少しだけ硬くなる

本当なら、こんな酔っぱらいすぐに制圧出来るのに
事を荒立てたくないし、非術師だし
旅行中…警察沙汰は避けたい

だから流そうとする
スルリ…男の手が滑る
腰から、下へ…お尻を撫でるように

紅海の身体が強張った
え!?ヤダ!
本能的な拒絶

『やめてください』
思ったより声が出なかった

男は2人で笑っている
「可愛いね〜やめて下さい…だって」
「照れんなって」

今度は、紅海の肩に手を回し…ソっと胸元へ手が伸びる

レジ前で袋を受け取った五条の視界に入った
絡まれてる?くらいに思った五条は
紅海なら強いし平気かな…そう思った

でも…紅海の表情
逃げようとしているのに逃げ切れてない足
そして――
男の手が、尻に触れる
五条の思考が止まる

は?

次の瞬間
胸に触れようとした手が――
途中で止まった

男の手首が、いつの間にか掴まれている

いつもの軽い笑顔で立っている五条

「その手で、どこ触ろうとしてるの?」

空気が変わる

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