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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第25章 休暇と浴衣


一拍置いて、慌てて付け足す
『あ!高専ん時も意地悪だったとかじゃないんだよ?』

五条はくすっと笑う
「いや、普通に、あの時は、紅海に対して意地悪だったよ、僕」
『えっ、認めるの?』
「まぁね…自覚あるし」
さらりと言う

瓶を指先で転がしながら、少し遠くを見る
「昔の僕さ、実は余裕なかったんだよね」

紅海が黙って聞く
「強いって言われ続けてさ…
出来て当たり前、守れて当たり前、負けないのも当たり前…
だから、編入してきた紅海に“普通の男の子”って言われてね?」

あれ?
私、あの時、悟をディスったみたいになってたんだ…

「プライド傷つけられたし、これでもまだ強さが足りないのかよって思ったら腹が立った…今の僕なら、はいはい普通の男の子ですよ〜とか適当に、あしらってたのかもね?」

少し笑う
「紅海が悪くないのは解ってるのに、当たる場所が無かったんだよ…紅海だけに雑になるっていうか…悪かったよ」

「失望した?」
チラッと紅海を見て、絶対に自分を見放さないのを知っていて質問する

『ううん、結局、悟は後からフォローしてくれたし、それに傑も硝子もいたからね?』
紅海は小さく首を振った

高専時代の悟を思い出す
誰より自由で、誰より孤独だった背中

あの頃から、悟が心配で目が離せなかった
悟は私が心配しようがしまいが関係ないかもしれないけれど…
五条に聞く
『ね?今は?』

五条は、紅海を少しだけ、長く見る
「今はね…凄く余裕
…優しくしたい人が出来たからかな?」
さらっと言う
重くならないように
でも冗談にも逃がさない温度で

紅海は一瞬だけ言葉を失う
自分のことだとは思っていない

けれど、胸の奥が妙に静かに揺れる
『……そっか』
誰?なんて聞いてみる勇気はない

五条はその反応を見て、小さく笑った
紅海は鈍いから自分の事だって気付かないよねぇ

でも、それが紅海か
それに、今こうして隣にいる時間が、もう十分特別だから

「ね、紅海」
『なに?』
「このあと少し散歩しよ?温泉街、夜の方が雰囲気いいよ」
紅海は嬉しそうに頷く
『行く!』
その即答に、五条の口元がわずかに緩んだ

同じ速度で過ごせることが、
思っていたよりずっと嬉しい
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