第24章 憧れと二次会
紅海の動きが箸を持ったまま固まる
旅行って任務じゃない旅行…だよね
皆で?二人だけ?
『悟と旅行…楽しそう……あ、皆でだよね』
紅海は小さく呟いた
「あ〜皆でね〜…って…どの辺の“皆”?
僕は2人でって思ってるんだけど?」
『え…』
でも、それって、私でも良いの?
2人で?本当に?
1人じゃ寂しいし、皆じゃ騒がしいから丁度良い人数?みたいな?
それに…2人で行くと…
『悟って…』
彼女とかいないの?
聞きそうになって、飲み込む
もし、いたら誤解されるよ
いくら仲良い友達と行くといえども
わたしは一応、女
悟は一応、男だから
黙り込んだ紅海を見て、五条が首を傾げる
「僕と遊びに行くのいや?」
『ううん、そんなこと無い』
即答だった
少し安心したように五条が笑う
「じゃあ、旅行が苦手?」
『ううん、旅行は好き』
「じゃあ、行く?」
核心を突かれる
紅海は視線を落とした
『うーん…行きたい…けど
私と旅行とか、良いの?って思っちゃう』
——自己否定
紅海は続ける
『悟は友達として誘ってくれてるんだろうけど…
誤解されちゃうんじゃないかな?二人で旅行とか…』
「外野からどう思われようが、僕らが解ってれば良い事じゃない?」
むしろ、誤解して欲しいけどね…と、五条は考える
俯いたまま…
『それに、私なんかが悟を一人占めしちゃっていいのかなって思っちゃうし』
笑って誤魔化そうとする
高専時代以来だ、2人で出掛けることなんて…
それも、近くのスポーツも楽しめるゲームセンターとか
バッティングセンターとか…
傑に負けたくないから、ちょっと練習付き合えとか行って無理矢理
内緒にしとけよって言われて帰りにアイス奢って貰ったっけ
だから2人で旅行とか…久しぶりすぎて距離感が分からない
誘って貰った事事態は嬉しい
でも、その嬉しさを許していいのか解らない
幸せになりかけると、期待するなと、どこかでブレーキがかかる
調子に乗ったら、きっと壊れる
心の奥に、いつもの感覚が沈む
五条はしばらく黙って紅海を見ていた
小さく息を吐く