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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第24章 憧れと二次会


五条は前を見たまま言う
「紅海」
返事はない…眠りかけているのか、寝ているのか

背中の重みを確かめるように、ほんの少し腕に反動を着けて持ち上げる
この距離だけは、誰にも渡したくない


アパートの玄関…窓から見える部屋は暗い

「紅海、着いたよ?」
『ぅん…』

反応はあるが、完全に覚醒してはいない
「はぁ…」
五条はそのまましゃがみ込み、背中の紅海を支えたままバッグを探る
慣れた手つきで鍵を見つけ、扉を開ける

何度か来たことのある部屋
配置も、灯りの位置も分かっている

靴を脱ぎ、玄関の棚に鍵を置いて、紅海の靴を片方ずつ脱がせる
「ほんと、こう言う事させるの紅海だけだからね?」
そのままリビングへ進み、ソファにそっと紅海を降ろした

体から離れた瞬間、少しだけ体温が抜ける
「じゃあね…起きたら鍵閉めてポストから放り込むから」

背を向けかけた、その時
服の裾が引かれた

『ん……行かないでよ』
五条の上着を、小さな手がぎゅっと掴んでいる
寝ぼけた声…けれど、力が意外と強い

「いや、困るよ…色々と」
本音だった…理性の問題でもあるし、
何より―今の紅海は判断が曖昧だ

それでも手は離れない
『寂しいんだもん』
静かな一言

五条の動きが止まる
冗談でも、甘えでもない
子供みたいに素直な声だった

五条はしばらく何も言わない
やがて、小さく息を吐いてソファの横に腰を下ろす


「…ほんとさ」
視線を落とす
「そういうの、僕にだけにしなよ」
『…ん』
紅海はもう半分眠っている
返事はない

けれど掴んだ手は離さない
五条はその手を無理に外さず

無防備な寝顔
普段は明るく笑って、誰よりも前に立つくせに

「…帰れなくなるだろ」
小さく呟く

当然、聞こえていない
少しだけ迷ってから、五条はソファの背にもたれた

無理やり離れる事も出来るし、なんなら、紅海の祖母の顔が頭によぎる
いや、もうお互い大人だしね?
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