第24章 憧れと二次会
『別に…って言うか、なに?わたし普段、どういう顔してるの?』
「ふにゃけた顔?あと怖い顔?」
『なにそれー、頼りない?からの鬼?』
「いや、そうじゃないけど…自己主張しない柔らかい雰囲気?
戦う時は急に呪術師の顔になるのにね」
五条は背もたれに寄りかかった
「紅海ってさ、自分の事になると引くんだよね~!他人のためには、あんなに動けるのにさ」
『え?』
店内の照明が瞳に反射する
「紅海は昔からそう。自分のことだけ、優先順位が低い」
その言い方に、紅海が苦笑する
『呪術師ってそんなもんじゃないの?非術師を呪霊から守る存在』
「紅海は、人を守りすぎ…いつか死んじゃいそうで怖いよ」
自分で発言したのに、紅海が消える事を考えてしまい珍しく不安になる
『そりゃ、守るでしょ…』
わたしなんかより、大切な人達なんだから
「僕は紅海が、いなくなると、つまんないからさ…ほどほどにしてよ?」
『それは、ありがと…飴ちゃんは出ないよ?』
いつもの軽口の悟だ…多分…そう思ってないと…勘違いする
「ねえ…今日、誘ったのさ、1年の歓迎会って理由もあるけど
紅海ともう少し話したかったんだよね」
飾り気のない言葉だった
え?と、驚く紅海
返事がすぐに出せない
視線が揺れる
冗談に逃げる空気でもない
『悟…忙しいのに?』
「忙しいからだよ
合理的に時間は使いたいしね」
紅海は小さく息を吐いた
『…そっか』
嬉しいけど…何を言っていいのか解らなくて、それ以上の言葉が出ない
「だからさ、もう一杯頼む?」
『…うん、悟の時間が良いなら、もう少し飲む…
って、悟、わたしを、甘やかしちゃダメだよ、調子に乗るから!』
グラスが再び満たされる
「いいよ、それくらいの方が
それに、酔っぱらってもいいよ?
今度は紅海んち知ってるから送っていけるしね?」
『大丈夫!大丈夫!』
と、言った20分後には、随分と様子が変わっていた
「おーい、紅海ちゃーん?」
紅海の頭をツンツンつつく
『きこえてる…だいじょうぶ』
「本当に酔っぱらうヤツがあるかよ」
『明日、朝から野薔薇ちゃんと約束してるから…そろそろかえる』
おもむろに、立ち上がりトイレへ向かう
「違うって!そっち!」