第24章 憧れと二次会
紅海は少し考えて、それから柔らかく笑った
『じゃあ、前に行ったカフェバー行きたい。あそこお洒落だったし』
「いいね、それ」
支払いが終わる
二人は自然に並んで出口へ向かった
釘崎が腕を組んだままガラス越しに観察している
「ね?」
伏黒恵は眉を寄せる
「いや、何が“ね?”だよ。人のこと詮索すんな」
完全に正論だが釘崎は聞いていない
「しーっ」
人差し指を口元へ
「ほら、いつもの紅海ちゃんと違って気ぃ緩んでるし
…遊佐さん!!不憫すぎる!遊佐さーーん!!」
「ゆさ?」
虎杖悠仁がまた首を傾げる
「誰?」
「だから!京都の補助監督よ
昔から、私の地元に遠征で来てくれる時は、
いつも2人で私に会いに来てくれて…
お似合いだと思ってたんだけどね
まさか、他にいるとは…」
店のドアが開いて教師二人が出てくる
五条が手をひらひら振った
「1年ズ達〜!これから先生二人はミーティングという名の二次会に行くから、現地解散でよろしくー!」
明らかに軽い
紅海は少しだけ苦笑してから野薔薇のもとへ駆け寄る
『野薔薇ちゃん、荷物は部屋に運び込んでるのと、ベッドは寝られるようにしておいたから…気を付けて帰ってね』
「さすが、紅海ちゃん!大丈夫、もう私大人だから、後を付けるとかしないから」
釘崎の目は完全に“理解した顔”だった
『うん??』
教師二人は並んで夜の街へ歩き出す
少しだけ距離が、近い
それを見送って——
釘崎がくるりと振り返る
「……しょうがない、帰るか男子達!案内しなさい」
伏黒が深くため息をついた
「いや、本当にそうだとしたら、俺、普通に嫌なんだけど」
「何が?」虎杖は伏黒に返す
「もっと良い人いるでしょ、流鏑馬先生なら…」
虎杖が真顔で言う
「え、でも五条先生めちゃ強いじゃん」
「強さの問題じゃねぇよ」
「顔も良いぞ?」
「そこも問題じゃねぇ」
釘崎は腕を組み
「ちょっと、人の事詮索するのは良くないわよ」
「誰が言ってんだよ!」男子2人のツッコミが響く
3人の背後で、夜の街に教師2人の姿が楽しそうに消えていく
まだ名前の付かない関係だ