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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第23章 指と欠片


硝子と話して気が少し楽になった紅海
足が自然と洗面所へ向かう

蛇口をひねる

硝子は、ああ言ってくれてたけど
“異質な呪力”
“何かあるかもしれない存在”
悟は単に、その異質な存在を調べたいのかもしれない
宿儺の器の事も、悟の嬉しそうな顔…
少なからず興味が有るから手元に置いてる気もする

顔を上げ鏡の中の自分と目が合う

期待しちゃダメ…
期待した分、真実を知ったら苦くなるから

京都から東京校に戻って
悟との距離は、確かに縮まっていた

いつかの飲みの席では
「僕の隣、空いてるよ」
軽い言葉だったけど、自分を認めてくれた気がした

冗談みたいで、でも少しだけ特別に聞こえた
その後、何度か飲みにも行ったし

他愛もない会話して…でも、それが嬉しかった
でも、そんな存在……私だけじゃないよね、きっと

悟は特別だ…誰に対しても距離が近い

だから私が勘違いしただけ
結論を、無理やりそこに落とす

胸の奥が重く感じる
勝手に勘違いして期待して
相談聞いてくれなかったら落ち込んで
わたしって、めちゃくちゃわがまま

手で顔を覆う
しかも、めちゃくちゃ、重いし

小さく息を吐いて
冷たい水で顔を洗い、強制的に、気持ちを切り替える

…大丈夫…笑える

昼休みが終わる頃

廊下に人の流れが戻り始めている

その中に、五条の姿
軽い足取りで近づいてくる
「紅海!悠仁、無事に入寮したよ」

何でもない報告
「とりあえず、今日は一日、部屋の整理してもらう」
『そっか…』

返事が、少しだけ遅れる
あ、まただ。口角がうまく上がってるかな
だめだ、こんなんじゃ
『じゃあ、虎杖くん?に、挨拶に行ってこようかな!』

無理やり笑顔を作る
これなら大丈夫

そう思って、くるりと背を向け歩き出す

その瞬間——
手首を、掴まれる

『えっ?』
「えっ?」

お互い、同じ温度の声
自分から掴んだのに驚く五条
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