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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第23章 指と欠片


遊佐は、2人の会話と空気を読んだ

「どしたん?」
そして自然に入り込む

「あれ?紅海ちゃん、元気無いやん?
岩手でも、よう頑張ったのに…ここでも生徒の面倒みて、疲れたやろ?
ほら、部屋入ってお風呂いって、今日は早よ寝ぇや?」
遊佐は、さりげなく紅海に逃げ道を用意する
紅海の肩の力が、ほんの少し抜けた

『遊佐くん…ありがと…』
笑顔が、さっきより自然になる
そのまま、五条を振り返る

『おやすみ、悟』
「ん…」

手を軽く上げる
扉が閉まる

虎杖の寝息だけが、かすかに聞こえる
五条は、立ったまま動かない

違和感…
紅海の質問と、自分の返答を脳内で再生する
あいつが知りたかったのって
“情報”や“結果”とかじゃなくって“安心”?
確かに、自分はそこに触れていない
安全かどうか、危険かどうかの判断
正解ではあるんだろうけど…
そういえば…視界の端に、過去が重なる

高専時代══
紅海が、任務の後に教室で
『今日は、任務で外出てたんだけどね、ちょっと辛かったんだよね…』
「ふーん」
辛い?呪霊が強かったってこと?
そう思った…
興味がないわけじゃない
ただ、深く聞く必要を感じなかった

その隣で——
夏油傑 が、自然に寄り添っていた
「紅海?任務中、何かあった?」
当たり前のように
『すぐる〜っ!聞いてよ〜』
紅海は、そっちに笑っていた
で、任務の話を始めた…結局、呪霊が強いとかでなく
子供が呪霊に懐いてて、祓うのを、戸惑ったとかなんとか…
…なんだよ
══

その時の感覚が、蘇った…あいつには笑うのにと言う
小さく引っかる理由の分からない不快感

そして、今、同じ構図だ
遊佐が、あっさりと“そこ”に入った
…慣れてんのかね、ああいうの

人との距離の詰め方、言葉の選び方…
五条は、ベッドに倒れ込む
天井を見て呟く
……面倒くさ

そう思いながらも——
完全には切り捨てられない自分がいる
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