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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第23章 指と欠片


「お前……」
宿儺が、紅海を見下ろす
その目が、僅かに細まる
「遠い昔に…」
何かをなぞるように
記憶を掘り起こすように
「……そうか!」
確信に変わる
「あの時の巫女!俺の魂の欠片を奪った巫女か!」
『……つっ……は?なに?』
理解が追いつかない
だが——
言葉の“重さ”だけは分かる
「いや…生きている訳は無いからな…子孫か?」
紅海は答える事無く、瞬間、腹筋に力を入れる
吊られた状態から強引に上体を起こす
軸を作り捻って蹴りを入れる
拘束が緩みその隙に距離を取り着地する

今の……何を言ってたの?巫女?
けれど、胸の奥がざわつく

その時——
「…他人の身体で何してんだよ?」
別の声…間の抜けたような
宿儺ではない雰囲気
——意識が入れ替わったのだ…宿儺が抑え込まれたのだ

宿儺だった少年は紅海を見、周囲を見る

混乱…その背後から伏黒の声が聞こえる
「…虎杖、おまえを呪いとして祓う」

伏黒恵の影が揺れる
構えている…例の“あれ”を出すつもりなのか…
『伏黒くん!』
紅海は駆ける…間に合わない

その瞬間
空気が、一瞬で変わり
均衡が塗り替わる
「やっぱり来てると思ったよ…紅海」
『悟…遅いよ…』
聞き慣れた安心する声
場違いなほどに軽い…五条悟だ
「今、どういう状況?」
軽く言う
だが、止めるタイミングは完璧
紅海は、ほんの僅かだけ息を吐く
だが、緊張が抜けきることはない
むしろ——
別の意味で、落ち着かない
さっきの宿儺の言葉
“巫女”
“魂の欠片”
視線が、無意識に自分の手へ落ちる。
…なに、それ…良く解らないこと言われたけど…

紅海が宿儺の言葉で考えている間…
宿儺の指を食べて抑え込んだ少年に五条が興味を持ち
宿儺と手合わせをする…その時間10秒…

次の瞬間には、もう宿儺の距離が五条に詰まっている
視界が歪むほどの速度で、拳が入る
鈍い衝撃…建物の一部が、崩れる
宿儺が笑い、スピードをつけ呪力を込め殴るも
五条は、終始、攻撃の外側”にいる
時間だけが過ぎ…また虎杖に抑え込まれた
五条がカウントする
「そろそろかな?」
虎杖の意識が浮上する
状況を理解する前に

トン、と
軽く額を叩かれ、少年の意識が落ちた

完全な制圧
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