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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第23章 指と欠片


岩手任務が終わり仙台に着いた頃には、もう完全に夜だった

駅前の灯りはあるのに、空気は妙に暗い
人の気配があるはずなのに、どこか薄い

紅海は電話をかけながら足を止めない
隣を歩く遊佐が、ちらりと横目で様子を窺う

「電話、まだ繋がらへんの?」
『うん…ずっとコールで出ない』

違和感
単純な連絡不通じゃない
“出られない”可能性…
胸の奥が、またざわつく

『GPS、この辺りだよね』
画面を確認する
示しているのは——学校
「嫌な位置やな」
遊佐の声が微かに聞こえた
二人は無言のまま、駆け出した

杉沢第三高校
…と、書いている校門を軽々と2人は超えて校内へ入る

校内に入った瞬間、空気が変わる

重たい空気…湿った呪力が、床に沈んでいるような感覚

『……いるね』
小さく呟く

暗い廊下の先に…人の影
倒れている学生が二人

制服だココの学生だろう、紅海と遊佐は駆け寄る
遊佐は呼吸を確認する…息はある

だが——明らかに、ただでは済んでいない
「紅海ちゃん、こっちは任せて」
遊佐が即座にしゃがみ込む

『遊佐くん、お願い』

紅海はそれだけ言って、足を早める
残穢を辿る…濃い

隠す気がないどころか、存在を解放しているような

『……上』

視線を上げる…屋上!

扉を開けた瞬間、風が抜ける
夜の冷気
その中心に——“それ”はいた

人の形をしているが、何か違う
呪霊を——引き裂いている?
祓う、ではない…力任せに呪霊を裂いた

『なに……あの子』
声が、僅かに掠れる
理解が追いつかない

宿儺が叫び笑う
空気が震える

耳ではなく、内側に響く声
本能が、即座に警鐘を鳴らす

——危険だ
思考より先に、躊躇無く身体が動く
踏み込み距離を詰め脚に呪力を流し込む

宿儺の頭部を蹴り抜く
鈍い衝撃が有ったがすぐに2撃目を避けられる
着地と同時に、次の動作へ
宿儺に間を与えない
連撃…打点をずらし、軌道を変え、崩す。

だが——次の瞬間、片足を捕まれる
「……ほう」
『っ、!』
視界が反転しぶら下がる形に
遠心力で身体が揺れる
だが、意識は冷静だ…紅海は次の動きを考える
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