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【FF7】ボクシング・デー

第4章 振りほどくことができなかった日


「決まってんだろ。飲ませて、運ぶやつ」

「何を?」

「さあな。部屋か--ああ、車もあるか。今日はどっちだろうな」

「そんな情報、リストには」

言いかけた言葉にかぶせるように、レノが薄く笑う。

「そんなもん載せるわけねえだろ」

ぴしゃりと遮られる。
落ちた視線の先で、指がドレスをかき集めた。

「まあ、飲まなくてよかったな」

距離を縮めたレノが、彼女の細い手首を掴んだ。

「皺になるぞっと」

近い距離と伝わる熱。
アグレイスの体は凍り付いたように動かない。

「……離して」

震える唇が、かすれた音を吐き出す。

「嫌か?」

これ以上何も言わないように。ぎゅっと力の入る唇。

息が混じるほどの距離。レノの口元が、わずかに歪んだ。

「じゃあ、そのままでいい」
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