第100章 雲散鳥没(うんさんちょうぼつ)
「ただ、これ、怪しいのです。坂本はこの『薬』をしきりに同級生にも試すように言って回っていたというのです。彼女自身は何らかの『薬効』を感じていた、ということなのですが、そういった薬用成分は全く入っていない・・・奇妙なのです!」
「そ、それは・・・あの・・・なんとか効果っていうやつでは?」
私がうろ覚えで言うと、冴守がすかさず「プラセボ効果、ですね?」と言ってくる。
そういうところがね、あなた、モテないんだよ!!
「その線も考えました・・・が、プラセボで5階の窓から飛び降りる膂力を得られるとは思えないのです。足折って、怪我するのが関の山なのです。」
ということは、何らかの『薬効』がある・・・と?
「というわけで、こちらに鑑定依頼が回ってきました。なんらか、呪術的な作用がないか、それを調べられますか?・・・美澄」
あ、そういうこと?
ここで私の名前が出たわけだ。
私がこの時、咄嗟に思ったのは「面白そうじゃない!」ということだった。
「わかりました!この日暮美澄・・・ミスリンにお任せあれ!」
こうして、私はこの奇妙な事案の捜査に関わることとなった。