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天狐あやかし秘譚

第100章 雲散鳥没(うんさんちょうぼつ)


☆☆☆
頭が、ぼんやりする。
まるで、ピンク色の霞がかかったみたい。

とっても、とっても気持ちがいい。
ふわふわって、身体が浮かび上がっている。きっと、雲の上に乗ることができたら、こんな感じなんじゃないだろうか?

それとも、私、本当に雲の上にいるのかもしれない。

学力テストの成績のことだって
今度の中間テストのことだった
お母さんのお小言も
塾の面倒な課題も

ほわんほわんと、みーんな遠くに行っちゃって
こんな、安心で、心地よいことなんて、ここ最近あったかな?

猫がひだまりで寝ているときってこんな感じ?

「・・・てるね」
「ああ、もうすぐ・・・だからね」

誰か、いるのかな?
話し声がする。男の人?

手も足も、みーんなとろけちゃっているみたいで、形がよくわからない。お腹の中、じんわりあったかくて、ここが一番気持ちがいい。
どうして、こんなに気持ちよくなっているんだっけ?

そこまで考えて、やっと私は思い出した。

『赤色』・・・
それで、ふわふわして
そうだ・・・そう。
いっぱい、いっぱい、大事にされて
お腹の中があったかくなって
私、気持ちよくなって
気持ちよくしてもらって・・・

すごい、幸せで
何もかも忘れてしまえて

・・・うん・・・うん・・・
もう一回してくれるって、言ってたよね?

楽しみ・・・あれ、好き・・・すごく・・・好き。
早く、して・・・早く・・・シテ・・・・。

相変わらず男の人がお話している。
もうすぐ、なんとか、とか、
あと2回くらいで・・・なんとか、とか・・・

そこまで考えたところで、私の頭、疲れちゃったみたいで
また、とろんとろんと、夢の中に堕ちていった。
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