第100章 雲散鳥没(うんさんちょうぼつ)
「警察もさすがにこれはおかしいと判断し、呪殺班が動いたのです。結果、愛理の自室から押収されたのが、これ・・・」
土門が示したのは、アメリカのサプリなんかがよくこの形で売られているよね、というようなプラスチック製の白いボトルだった。商品名やロゴなどの表示は何もなく、ただボトル部分は白、蓋の部分は緑色だった。大きさは高さ15センチほどだろうか。小型の容器だった。
「中には直径が9.3ミリメートル、高さ4ミリメートルほど、色は薄い青と黄色の二種類があるのですが、そういった錠剤様のものが数個残っていました。」
冴守、細かいなあ・・・
「その薬っぽいものなんですが、警視庁の方で調べた結果・・・」
要は怪しい薬、危険ドラッグの類ということなのだろう。それでラリって窓からジャンプ・・・みたいな?
「ただのラムネだったのです」
はい?
ラムネ?
「成分は、果糖、ぶどう糖、食塩、クエン酸、レシチン、乳酸カルシウム、香料としてシトラール、あと、着色料として、タートラジンやブリリアントブルーが少量・・・要は普通のラムネと同じ成分です」
私は化学の知識はあまりないので、冴守が冷静に読み上げる原材料名を聞いてもピンとこない。しかし、まあ、結果はわかる。
要はラムネ以外の何物でもない・・・ということか?