第4章 深すぎず浅すぎず、近すぎす遠すぎず
久しぶりに袴田家を訪れたホークスは、
玄関でを見た瞬間、目を丸くした。
「……お前、また綺麗になったな?」
赤い翼をたたんで立つホークスを見上げ、
は少し照れる。
「そんなこと言わないでよ……大げさ」
「いやいや、マジで。
背も伸びて、大人っぽくなったって。」
ホークスは冗談めかして笑ったが、
胸の内では別の感情が渦巻いていた。
(……ちょっと見ない間に……
こんなに“女の子”になるか?)
素直に嬉しいはずなのに、
なぜか落ち着かない。
胸がざわつく。
ホークスは羽根を軽く震わせた。
(……なんだこの気持ち……)
だがその正体に気づくには、
まだ幼かった。