第4章 深すぎず浅すぎず、近すぎす遠すぎず
道すがら、ホークスがの頭を軽く撫でる。
「中学でもさ、無理すんなよ。
困ったらすぐ言えって言っただろ?」
「……うん。」
「ほんとに?
また隠したら怒るからな?」
ジーニストが静かに補足する。
「
君は強いが、強い子ほど無理をする。
頼ることも“強さ”だぞ。」
は二人を見上げ、胸の奥が温かくなった。
(ああ……わたしは、もう一人じゃない。)
ミナとの友情。
ジーニストの保護。
ホークスの優しさと叱咤。
全部が支えになった。
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家に帰ると、
卒業証書を抱きながらは言った。
「ジーニー、ホークス。
わたし、中学でもちゃんと頑張るよ。
今度は……もっと強くなる。
ちゃんと、人に頼ることも覚える。」
ジーニストは誇らしげに頷き、
ホークスは笑顔で親指を立てた。
「いいねぇ。
中学生ちゃん、楽しみにしてるよ。」
(……見守れるのが嬉しい反面、
どんどん遠くに行きそうでちょっと怖いんだけどな……)
ホークスは胸の奥で
密かに複雑な感情を抱いていた。
だがその想いは――
まだ誰にも言わない。