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ヒカリノキオク【ヒロアカ】

第3章 はじめましての訓練


が初めて見せた“置いていかれる不安”

その夜。
訓練室に二人だけが残っていた。

ホークスは壁にもたれて、
羽根を小さく揺らしながら言った。

「……なあ、」

「……うん。」

「外に出るってのは、悪い話じゃない。
むしろ、いい話だ。」

「…………」

「お前がここで強くなったからだよ。」

それは本当の言葉だった。

でもは、
ぎゅっと制服の袖を握ったまま言った。

「……ホークスは?」

「ん?」

「ホークスは……来ないの?」

ホークスは一瞬、息が詰まった。

ああ、この子は——
本当に小さい手で、
いつも俺の背中を必死に追ってきたんだ。

一人にされたときの不安を
誰より知っている子なんだ。

ゆっくりしゃがみ、
の視線と高さを合わせる。

「……俺は公安に残る。
ここで仕事して、訓練して、
もっと強くならなきゃいけない。」

「…………そっか。」

涙は出ていないのに、
声だけが震えていた。

「でもな、」

ホークスはの頭をそっと抱き寄せた。

「お前がどこに行っても、
俺はここで飛んでるし、
空にいればいつでも会える。」

「……ほんと……?」

「ほんと。
俺は嘘つかねぇよ。

それにまだまだ個性の強化はあるし、公安にはずっとは居れないけど、一生俺と会えなくなるって訳じゃないんだから」

の小さな手が、
ホークスの服をぎゅっと掴む。

「……ホークスと飛ぶの、好き。」

「俺も好きだよ。
……自慢の相棒だ。」

そう言うと、
はようやく小さく笑った。
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